ブラジル保健省は26日、食品・飲料業界と、ビスケット、ケーキとその材料となる粉製品、乳製品、甘みを加えたカカオ製品、清涼飲料水などに含まれる砂糖を減らすことで合意したと、27日付現地紙が報じた。
合意に至った目標は、今後4年以内に総量14万4千トンの砂糖を減らす事だ。これは、前述の対象食品に使われている砂糖の量の2%だ。保健省との合意には、業界全体の87%にあたる68社が署名している。
同様の合意が結ばれている塩と同じく、全ての製品が砂糖を減らさなくてはいけないわけではない。68社の全品目2397の内、52・1%にあたる1250品目は制限値を達成しているが、達成できていない1147品目は、現在含有されている砂糖の量を減らす必要がある。
「合意が守られれば、その食品は健康的と言えるのか」と問われたジルベルト・オッシ保健相は、「まずは国民に情報を届けることを目指す。そして段階的にでも砂糖の量を減らしていけば、食品も段階的に健康的になる」と答えた。
保健省の食品栄養部門コーディネーターのミシェレ・レッサ氏は、「国民に対して推奨するのは、自然食品、または最低限の加工しか施されていない食品だが、多くの国民は、かなり加工手順が加わった食品を口にしている」と語った。
合意を結んだ企業は、2年ごとのステップで、2段階に分けて削減を行わなくてはならない。合意を守らなかった企業は公表されるが、削減はあくまで自主目標であるため、罰則規定はない。
最も砂糖を削減しなくてはならないのは、100グラムあたり、75グラムが砂糖のドーナツだ。ドーナツは4年以内に砂糖量を62・4%削減し、100グラムあたり28・2グラム以内にしなくてはならない。また、100グラムあたり54・9グラムの砂糖を含むウエハースも、100グラムあたり38・4グラムに減らさなくてはならない。
また、ミシェレ・レッサ氏は、砂糖を削減する代わりに人工甘味料や脂肪を足してはいけないとし、「我々の勧告は、単純に砂糖を減らす事」と語った。
ブラジル政府の調査では、ブラジル人の砂糖の消費量は世界保健機関が勧める量よりも50%多いという。糖尿病は過去10年間で、男性で54%、女性でも28・5%増えた。
「以前は、砂糖の過剰摂取は糖尿病につながるとだけ認識されていたが、実際には、ブラジルでの主な死因の一つである心臓病も引き起こす」と、栄養士のラファエル・フランシスキ氏は語っている。
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