SBT局の深夜の人気帯番組「ザ・ノイテ」の看板司会者であると同時に、数々の暴言でのお騒がせでも知られるコメディアンのダニーロ・ジェンチーリが、政治家への暴言によって、賠償金の支払を命じられた。
今回のジェンチーリの支払相手は、急進左派・社会主義自由党(PSOL)のマルセロ・フレイショ氏だ。2016年のリオ市長選で落選はしたものの、小政党からの出馬にして決選投票で惜敗する善戦ぶりで、全国的に有名になった人物だ。
一方、ジェンチーリと言えば、左派が9割のブラジル芸能界ではきわめて珍しい、かなりの右派。その彼がツイッターで、フレイショ氏のことを「泥棒で男性優位主義者、女性たちに暴力をふるい、ブラックブロックスのリーダーで殺人者」と罵った。
フレイショ氏は、名誉毀損だとして訴えを起こしたが、ジェンチーリは「報道された事実に基づいて言ったまでだ」と反論していた。
だが、リオ地裁のラファエラ・アヴィラ・フェリペ判事は、「コメディ調の投稿とは言えない、攻撃的で挑発的な物言いだ」とし、「表現の自由の次元を遥かに超えてしまっている」と判断。同判事はジェンチーリに、フレイショ氏に対して1万レアルを支払うよう命じた。これはフレイショ氏が求めていた10万レアルの10%に過ぎなかった。
ジェンチーリが暴言で罰金を課されるのはこれが初めてではない。以前には、労働者党の女性下院議員マリア・ド・ロザリオ氏を侮蔑する発言を動画で行い、5万レアルの支払を求められている。(27日付UOLサイトより)