25日が「女性に対する暴力廃絶のための国際デー」だった事を受け、テメル大統領が27日、「家庭内暴力廃絶計画」を発表したと27日付アジェンシア・ブラジルが報じた。
国や自治体が協力し、女性への暴力を廃絶しようとの呼びかけは、トルクアット・ジャルジン法相やグスターヴォ・ロッシャ人権相らを伴った席でなされた。大統領は、Oxfamブラジルが26日に公表した格差拡大に関する報告にも言及。女性の権利や労働市場での女性の地位向上なども、緊急課題として扱う必要があると語った。
また、女性に対する暴力は貧しい地域や貧しい家庭だけで起きるものではなく、あらゆる場所、あらゆる階層で起きている。だが、最も頻繁に起きるのは、女性が最も安全と感じるべき家庭の中である事にも言及した。
発表の場に同席した、女性下議団コーディネーターのソライア・サントス下議(共和党)は、近年の運動のおかげで女性下議の数は51から77に増えたとした後、女性の議員が多いほど、家族や子供を守るための法案が数多く提出されるとも語った。
25日には、歌手のナイアラ・アゼヴェド主演で連邦政府作成の、家庭内暴力を告発するよう促すビデオの放映やインタビューが行われた。これにより、従来は350回/日だった180番電話による家庭内暴力告発が、26日には5600回に増えた。
「女性が外出したいのに禁ずる」「脅迫する」「無理やりベッドに押し倒す」なども暴力行為にあたると伝えるビデオは、2日間で35万回以上閲覧された。人権相は「啓蒙活動抜きで女性への暴力廃絶は不可能だ」とも述べている。