ブラジルでは統一選挙が10月に終わり、今後への不透明感が薄れたため、「住宅用不動産市場は来年から新たなサイクルに入るだろう」との観測が出ていると、29日付現地紙が報じた。
サンパウロ市では、今年10月末までの時点で、新たに市場に投入された住宅用不動産の件数が昨年の総数を超えた。今年の総数は、昨年比5~10%増になると見られている。
住宅開発会社、ノルチス社役員のカルロス・テレオピンス氏は、「住宅不況の流れが止まり、来年からは住宅市場がまた活気付きそうな兆候が出ている」と語っている。
サンパウロ市では、今年10月までに1万8011件の新規住宅が市場に出された。選挙イヤーは通常、販売が落ち込む傾向にあるが、今年の新規住宅数は昨年同期比で21%増えている。
また、実際に販売された件数も増加した。サンパウロ市商用・住宅不動産・賃貸・管理業者組合(Secovi―SP)によると、今年9月までの販売件数は1万8067件で、昨年比40%以上の増加だった。
また、不動産業界は、先週21日に連邦上院議会を通過した、「不動産契約解除規制案」(ジストラット)の下院早期通過を望んでいる。同案が成立すれば、住宅不動産を供給する業者側はより安心して、不動産を販売にかけられるからだ。
フラビオ・アマリSecovi―SP会長は、「来年は消費者の景気信頼感も高まり、住宅の価格上昇はインフレのペースを超えるだろう」と予測している。
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