日本語学校のスポーツが好きな13~17歳の生徒が参加する『聖南西青空スポーツ教室』(聖南西教育研究会主催)が11月15日、ピラール・ド・スール文化体育協会のグランドで開催された。
年に5つある生徒参加地区行事の中でも、12月に行われる林間学校とともに生徒がとても楽しみにしている地区行事。今年は地区内のピラール・ド・スール、コロニア・ピニャール、イビウーナ、レジストロ、カッポン・ボニート、ソロカーバ、サンミゲール・アルカンジョの全8校から58人の生徒が集まった。
ピラール・ド・スール日本語学校で15年体育を指導している米村麗華教諭(30、三世)を中心に同校の教師によって進められ、「このスポーツ教室に参加出来るのは、当たり前のことでも普通の事でもない。休日にも関わらず連れてきてくれた先生達や今日1日カフェを用意してくれるピラール・ド・スールのお母さん達、いつも皆のために頑張ってくれている両親や家族がいるからこそ。まずその事をちゃんと理解して感謝の気持ちを持ってください」と話し、この行事の意義や注意事項の話があった。
「日本語学校の行事なので進行は日本語で行う」という地区の方針通り、時折ポルトガル語を交えながらも説明などは終始日本語で行われた。多くの生徒は理解しており、わからない生徒も聞き取ろうと頑張ったり他の生徒にたずねたりと、ただのスポーツの場ではなく生の日本語に触れ合う場ともなり、日本語学習の一環でもあることが感じられた。
初めは体育館で1時間余りレクリエーション活動で体を動かし、気持ちもほぐした。
その後はグランドに移動し、メイン競技である『ポートフリスビー』を行った。男女一緒でパスなど基本動作の練習を行い、ルール説明の後、短い練習試合を通して試合のやり方を確認。昼食をはさんで男子6チーム、女子5チームが総当たりの大会を行った。
不規則な動きをするフリスビーに苦戦しながらも白熱した試合が繰り広げられ、試合後は勝敗・チームに関係なく笑顔で談笑する姿が見られた。
その後、それまで声援を送っていた数名の若手教師も加わり、男女混合で4チームを作り、広いグランドを全面に使った「陣取り」が行われた。相手の陣をとるために走り回り、作戦を立て、チーム内で声をかけ合うなど協力が欠かせず、その内容はスポーツと呼ぶにふさわしいもの。
ポートフリスビー大会終了後は暑さも相まってやや疲れた様子であったが、陣取りが始まると、皆元気にグランドを全力で駆け回り、陣を奪った時はそのチームから大きな歓声が上がった。
閉講式では参加生徒皆、日焼けした顔には充実感溢れる笑顔が広がっていた。この日の最初に「普段は学校ごとに分かれて授業をしているが、このスポーツ教室は1つの学校1つのクラス。同じ学校の友達や仲のいい子達だけで楽しむのではなく、スマホをいじるのでもなく、学校、年齢、男女関係なく色々な人と話して仲良くなることを楽しんでほしい」と話した教師が「今日、新しい友達が5人はできた人」と聞くと、あちこちから手が上がり、生徒達もしっかりと教師の期待に応えていた。