世界初となるサンパウロジャパンハウス(JH)を立上げ、来館者延数100万人を突破する大成功に導いた功績を称え、平田アンジェラ元館長に外務大臣表彰が先月14日に同館で授与された。時季外れの異例の伝達式となった。
ビーチ・サンダル「アヴァイアナス(Havaianas)」の貿易本部長として世界的ブランドに育て上げた手腕等が買われ、館長に抜擢。ロンドン、ロサンゼルスに先駆けて同館の安定立上げを実現し、今年6月に勇退していた。
式典にはルーベンス・リクペロ名誉館長、マルセロ・アラウジョ館長をはじめ、日系社会からは呉屋春美文協会長、与儀昭雄援協館長、山田康夫県連会長、大城幸雄日伯文化連盟会長らが出席。日伯両国歌斉唱の後、伝達式が催された。
野口泰在聖総領事は「夜も寝ずに、日本側と連絡を取り合っていた。その献身、熱意、愛、努力は称賛に値する。平田氏なくしてJHの成功はなかった」と賛辞を贈った。また、サンパウロ世界貿易センター副会長に就任したことに触れ、「新たな任務での成功をお祈りしたい」と贐の言葉を寄せた。
平田元館長は「大きな挑戦になるとも知らずに引き受けたが、この事業に係れたことは幸せ」と振返り、「受賞は大きな驚きであるとともに、感激で言葉もない。これは私個人に属するものでなく、共に一丸となって建設から立上げまで働いてきたチーム皆のものです」と話し、関係者に謝意を滲ませていた。
最後に、ルーベンス名誉館長が「立上前は事務所もないところから、平田氏は自宅で従業員を抱えて準備にあたった。事務局長というよりは、母という存在だった。この事業に命を吹き込んだ」と功績を称えた。