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米中貿易戦争が一時休戦で、ブラジル株も若干上昇=ブラジル産大豆へ早急の影響はなし?

ブラジル産大豆の中国市場シェアには早急の影響はないと見られる(参考画像・Ivan Bueno/AG.PArana)

ブラジル産大豆の中国市場シェアには早急の影響はないと見られる(参考画像・Ivan Bueno/AG.PArana)

 アルゼンチンの首都ブエノスアイレスで1日に会談したトランプ米大統領と中国の習近平国家主席が、90日間の貿易戦争休止で合意した事で、週明けの世界の株式市場は上昇した。サンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)も一時9万1千ポイント(P)台をつけ、最終的には前の営業日比で0・35%増の8万9820Pで取引を終えたと、4日付ブラジル国内各紙が報じた。
 「90日間の貿易戦争休止」とは、米国が来年1月に予定していた、対中製品制裁関税引き上げの90日延期だ。休戦期間は短く、その後の情勢が好転する保証もないが、国際投資家たちは、この知らせをポジティブに受け止めた。
 3日の為替相場では、ドルはほとんどの通貨に対して値をさげ、ブラジルレアルに対しても、0・46%安の1ドル=3・84レアルをつけた。
 投資コンサルタント会社のエコノミスト、シウヴィオ・カンポス氏は、「両国が時間稼ぎをしただけに終わる可能性もある」と語っている。
 また、専門家たちは、米中貿易戦争が落ち着いて、世界経済が発展することはブラジルにとって利益だが、ブラジル製品が中国市場で得ているシェアが失われる可能性もあるとしている。
 米中貿易戦争が続いた方がブラジルの利益になる製品には大豆がある。「中国は米国産農産物を積極的に輸入する」という合意があれば、米国産大豆が中国市場に食い込んできて、ブラジル産製品を脅かすが、「制裁関税90日の停止」だけなら、ブラジル大豆の中国シェアに大きな影響をもたらすこともないと4日付現地紙は分析している。