サンパウロ市中央部サンタセシリアで麻疹(はしか)の擬似症患者が発生し、市役所が大人から子供までを対象とする防疫作戦を展開していると6日付エスタード紙が報じた。
擬似症患者は、同市東部のモオッカ区にも親権者がいて、両区を行き来している子供だ。実際の感染の有無はまだ明らかになっていないが、感染拡大を防ぐため、市職員が家々を回って予防接種を受けてない人を探し、予防接種を施すという措置がとられている。
防疫措置は、擬似症患者が他者と接した可能性がある場所や地域が対象となる。今回の場合、子供が住んでいる自宅の周囲8区画の中にある保育園や学校、商店その他の施設に出入りしている人達もカバーされる。
サンパウロ市では11月24日現在で156件の擬似症患者が報告されており、内107件は疑いが晴れた。残りは検査中で、感染確認例はまだない。
麻疹は感染力が強いため、患者の自宅と周辺を隔離し、予防接種を受けてない人を探しては予防接種を施す措置は、感染の有無確認前に始められる。麻疹の代表的な症状は、発熱、鼻水、体中に出る赤い発疹、セキ、結膜炎などだ。
予防接種を施すのは、擬似症患者や患者と接してから72時間以内が原則だが、それを過ぎても効果はある。
なお、血清検査で抗体反応が出た時は、かつて感染した、今感染している、予防接種で抗体が出来たの三つのケースがあるので、検査が必要だ。
ロライマ州に流入したベネズエラ人が持ち込んだとされるウイルスが原因で起きた麻疹の流行は今も止まらず、11月28日現在の全国の患者総数は1万163人となった。同月21日現在は9898人だったので、1週間で118人増えた。サンパウロ州も3人の感染が確認されているが、いずれも他州で感染した例だ。
州別患者数最多はアマゾナスの9695人で、ロライマ347人、リオ・グランデ・ド・スル45人、パラー41人、リオデジャネイロリオ19人と続く。ペルナンブコ、バイア、ロンドニアでも患者が出ている。麻疹による死者は、ロライマ4人、アマゾナス6人、パラー3人となっている。
なお、今年のサンパウロ市の予防接種率(三種混合)は97%だが、17年は86%で、保健省の目標値を達成していなかった。