テレーザ・クリスチーナ次期農相が18日、先住民保護区制定など、土地を巡る問題を取り扱うための土地問題特別審議会を設置する意向を明らかにしたと19日付エスタード紙が報じた。
次期農相によると、新たな審議会は、農務、国防、人権の各省と大統領府安全保障室を統合して創設される見込みだ。
先住民保護区制定は法務省傘下の国立先住民保護財団(FUNAI)の管轄だが、来年からは同財団の役割が女性家庭人権省と法務省に分割される事になっている。
土地問題に関する政策を確定する土地問題特別審議会の長は、農業企業家のルイス・アントニオ・ナブアン・ガルシア氏が務める。また、先住民の農地や逃亡奴隷が形成した黒人居住地のキロンボーラに関する政策の実施は、国立植民農地改革院(Incra)が、先住民保護区に関する業務は、人権局傘下のFUNAIが担当する。
一方、ジャイール・ボルソナロ次期大統領は、新たな先住民保護区制定は行わない事と、既存の保護区でも経済活動を進めるための開発を行うと明言している。
後者の例は、17日に言及した、ロライマ州のラポーザ・セーラ・ド・ソル保護区だ。同保護区は13年前に制定され、ガスのパイプラインなどに用いる特殊合金の材料のニオブやウランの鉱脈がある。また、土地も肥沃で、鉱業関係者や農牧業者にとっては、のどから手が出るほど欲しい土地と言える。
ボルソナロ氏は17日に、同保護区内でウランやニオブの採掘を〃合理的な形〃で進める事を正当化。先住民にはロイヤルティを払い、社会的な統合も図ると発言した。
ただ、先住民にロイヤルティを払って採掘を行うという考え方は、現在も22の保護区で行われている違法採掘と変わりがない。22保護区の先住民は計4万8千人で、月々の金や、採掘した鉱物やその売上を受け取って、違法採掘を行わせている。外部からの生産者が占有している土地の広さは310万ヘクタールに上るという。
なお、現時点で保護区制定が検討されている土地は129カ所、計1130ヘクタールで、12万人の先住民が住んでいる。制定済みの保護区は436カ所、計1億1700万ヘクタールだ。