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《ブラジル》今年最後の送電線の入札=16区全てを約半額で落札

今年最後の入札の対象となった送電線事業(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)

今年最後の入札の対象となった送電線事業(Marcello Casal Jr./Agência Brasil)

 今年最後となる電気事業関連の入札が20日に行われ、13州での送電線設置(総計7152キロ)と変電所建設事業、全16区が全て落札と21日付現地紙が報じた。
 今回の入札は競争率が高く、各区とも最少でも3社、最多では12社が争った。また、それを反映してか、落札額は、政府が設けた還元収入の上限を平均で46%(最小で38・51%、最大だと58・19%)下回った。割引率が高いほど、消費者が払う電気代は安くなる。
 具体的には、サンタカタリーナ州とパラナ州にまたがる第1区は6社が争い、57・07%の割引率でネオエネルジア社が落札。投資額は27億9100万レアルだ。
 送電事業では割引率が高い会社が落札する。第1区は1097キロの送電線を設置・運営する事になっており、工事期間は60カ月。同区の事業では5583人の直接雇用が生まれる見込みだ。
 ネオエネルジア社は、スペインのイベルドローラと呼ばれるグループ企業がコントロールしている。同社は、第1区の27億9100万レアルをはじめ、計61億レアルの投資を行う一方、年5億レアルの還元収入を得る事になる見込みだ。
 また、やはりスペインのCymi社がブルックフィールド社と組んだコンソーシアム(企業体)のシマロンが、リオ・グランデ・ド・スル州(第10区)の送電線事業を42・38%の割引率で落札。24億3200万レアルの投資を行う事を約束するなど、外国企業の積極的な参加が目立った。
 ただし、これまでの入札で目立った中国勢は、国家電網(State Grid)が参画するCPFLが第8区を落札するのみで終わった。
 今回の入札で見込まれている投資総額は132億レアルで、過去最高だった2017年4月の入札での127億レアルを大幅に上回った。
 今回落札した企業には送電線や変電所の建設工事期間として、48~60カ月間が与えられる。各施設の運営権は30年間だ。
 来年以降の電力事業関係の入札計画は3月までに決まる見込みだが、送電事業の関係の入札は下半期の早い時期に行われると見られている。