8日夜、南聖レジストロ市のキロンボ区の小農場で果実を収穫していた薬剤師のアキオ・オオヤマさん(47)の妻ルシレイラ・バルボーザ・ダ・シウヴァさん(40)と娘タイス・マユミ・オオヤマさん(11)の2人が、突然の落雷により死亡した。G1サイト10日付けで報じている。
同サイトによれば、一家はパラナ州クリチバ在住で、休暇を利用してレジストロの両親宅で過ごしていた。夕刻、一家で果実収穫をしていたところ、落雷が2人を直撃。30メートル離れたところにいたアキオさんにはケガはなかった。午後7時頃、救急車駆けつけたが2人は即死。軍警や鑑定チームが死亡を確認した後、遺体はレジストロ鑑識医院に搬送された。
アキオさんの弟・ロベルトさん(44)によれば、事故発生時は雨が降っておらず、陽が出ていて辺りは明るかったという。「空が雲で完全に覆われていたわけでもなく、まだ雲も暗くなかった。遠くから嵐が近づいているのを見たが、変な天気だった」と当時の状況を語る。
国家宇宙調査研究所の気象学者・ファビオ・ロッシャ氏によると、天気の急激な変化は春夏にはよく観測されるといい、「落雷は積乱雲の形成と関連する」と指摘する。当日午後4時から9時の間に755回の落雷が同市で観測されたこに関し、同研究所は「24時間で一つの市にこれだけの回数の落雷があるのは異常気象だ」と分析している。
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レジストロで日系妻子が突然の落雷で感電死する痛ましい事件が起きたが、その原因となったのは積乱雲。高温の地表の空気が上昇し、上空の低温の空気との温度差が大きくなったことによって、もくもくと山のような雲が湧く現象。これが大気の不安定さを生じさせ、落雷を伴う激しい雨を短期間で降らせる。ロベルトさんは「まだ雲が暗くなっていなかった」と証言するが、これは雲頂部が水滴よりも光の反射率が高い氷の粒でできていることが多いため、雲の上部が太陽光をよく反射して明るく見えることが多いためと推察される。猛暑で天候が崩れやすい季節柄。雨が降っていなくても、積乱雲には気をつけて!