年明けのボルソナロ政権発足から好調を維持しているブラジル株は、14日に史上最高値を更新。サンパウロ市株式市場指数(Ibovespa)は9万4474ポイントを記録し、今年の上昇率は7・5%となったと、15日付現地各紙が報じている。
これに伴い、為替もドル安、レアル高に振れている。14日の終値は1ドル3・701レアルで、年明け後のドルは、レアルに対して4・5%値を下げた。
ボルソナロ政権が近日中に公表する社会保障制度改革案は、踏み込んだ内容になると予想され、その事が投資家に好感されているのも一因と各紙は見ている。
14日の主役となったのはサンパウロ州水道公社(Sabesp)株だ。先週末に同州財務局長のエンリケ・メイレレス氏が同社の民営化に前向きな発言をしたことで、同社株は14日に5%以上も値上がりした。
思いきった社会保障制度改革と、大胆な公社民営化を新政権はやってくれる。こうした期待が株価に現れている格好だ。
サンタンデール銀行のエコノミスト、リカルド・ペレッチ氏は、「2月発足の新議会が、政府の政策に協力的かどうかで、今の期待感は高くも低くもなっていく。社会保障政策への期待が先行する形で、これほど市場が加熱するのは、一昨年のJBSショック直前期以来」と語っている。
ただし、昨年の中国の貿易黒字が予想を下回ったことや、米国で続く政府機関の一部閉鎖など、ブラジル市場にマイナスの影響を与えかねない要因は世界中で燻っているとも現地紙は分析している。