15日にボルソナロ大統領による銃規制緩和の大統領令が出され、翌16日のブラジル各紙はどこも、大きく紙面を割いてこのことを伝えた。
「市民に銃を持たせる事が必ずしも治安改善につながるとは思えない」といった批判的な論調が多い中、16日付フォーリャ・デ・サンパウロ紙は、「これでブラジルは、銃問題に関してアメリカ、イタリア、イスラエルなどと同じ方向に舵を切った」との記事を掲載した。
イスラエルは、昨年8月に陸軍退役軍人、治安関係職員への銃所有許可基準を大幅に緩和した。米CNNによると、イスラエル政府は14万5千人(約60人に1人)が銃所有許可を得ていると概算している。
イタリアも昨年9月に、一般市民が銃を所持できる数量や種類の制限を拡大した。
「銃大国アメリカ」は、「国民が銃を持つ権利は妨げられてはならない」と憲法に定められており、多くの州では、銃の所有には前科がない事を証明するだけでよく、治安当局の許可や銃の登録義務もない。前科がない証明も各販売店で容易に出来るという。また、前科チェックは公営店で必要なだけで、私営店ではその必要さえもない。
最近では一般人による銃乱射事件などが増えており、カリフォルニア、オレゴン、フロリダの各州では、銃規制の強化も行われた。
フォーリャ紙は、「イスラエル、イタリア、アメリカは例外」とし、ドイツ、英国、日本、中国など、一般人の銃の所有規制を厳格に定めている国の例も紹介している。(16日付フォーリャ紙より)