来年60周年を迎える華道家元池坊華道会南米支部(阿部すみ子支部長)主催の「新春初生け」が19日に、サンパウロ市リベルダーデ区の援協5階神内ホールで開催され、正午から新年会兼開会式が行われた。同支部の関係者や生徒ら約50人が出席。竹など新年にふさわしい花材を使った25作品が並び、来場者は熱心に観賞した。
本紙の取材に応えた阿部支部長は「来年の60周年に向かって準備を進める年」とし、「もっと若い生徒や先生を増やす必要がある。土日にもっと教室を開くなど、後継者育成を意識していきたい」と世代交代に注力する考えも述べた。
開会式では、野口泰在聖総領事、文協の林まどか副会長、援協の与儀昭雄会長、ブラジルいけ花協会のエリソン・トンプソン・デ・リマ会長、ブラジル書道愛好会の若松如空名誉会長ら来賓の紹介が行われた。
阿部支部長はあいさつで「本日は、私たちの初生けに来てくださり、ありがとうございます」と謝辞を述べ、「今年ブラジルでは新しい政権に変わり、日本でも今上天皇陛下が退位され、新天皇陛下が即位されます。私たちも新しい気持ちで、今年も南米支部を盛り上げていきましょう」と意気込みを語った。
続いて、野口総領事、林副会長、与儀会長、トンプソン会長、若松名誉会長のそれぞれが祝辞を述べ、若松名誉会長が乾杯の音頭をとり、会食が始められた。
同支部に50年以上所属、最も古くから教えている鈴木幸子先生は「今は約120人の生徒がいるが、先輩方は体調面の問題で来れなかったり、亡くなる人もいて、気が付いたら一番古い人に」と苦笑した。
毎年参加しているレジストロ支所の代表の柳生てるゑ先生は、「レジストロ日伯文化協会で生け花を教えているが、教養ある非日系人の生徒が多くなってきた」と日本文化に関心を持つブラジル人が増えたことを強調した。
非日系人で12年前から同支部の生徒となったアンドレ・アウヴァス・さんは「自分は柔道と剣道もやっているが、武道は緊張感を持って行うものなので、生け花で心をリラックスさせている。これからもこの素晴らしい文化を続けていくつもりだ」と語った。
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