サンパウロ州のアドルフォ・ルッツ研究所は州内北部、北東部の19市で、デング熱2型のウィルスが広がっていることを発見したと、22日付現地サイトが報じている。
サンパウロ州保健局によると、このウィルスは、以前に他の型のデング熱ウィルスに感染した患者に対してより深刻な症状を引き起こす可能性がある。
サンパウロ州内で発症したデング熱の6割は、北部、北東部に集中している。サンパウロ州保健局はビデオ会議を開き、デング熱を媒介するネッタイシマ蚊対策や、すでに発症してしまった患者への対処法などを各市に伝えた。
保健局疾病管理部のコーディネーター、マルコス・ボウロス氏は、今年は2015年ほどの大規模流行にはならないが、2型という新型ウィルスが循環しており、同型ウィルスへの免疫のない人への感染が増えるだけでなく、他のウィルスに感染した経験のある患者が感染し、出血性デング熱のような重症例が起こりやすいとして、注意を喚起した。
サンパウロ州では、今年に入って最初の半月で610人の域内感染者が確認された。これは月全体で888人だった、昨年1月のペースを上回っている。
昨年のサンパウロ州でのデング熱罹患者は1万3908人で、10人が亡くなった。大流行が発生した15年は70万9445人が発症、死亡者は513人だった。
今月20日には、9歳の女の子がサンパウロ州北部のサンジョアキン・デ・バーラ市で亡くなった。この女の子はデング熱2型だった可能性がある。州全体では、既に6人がデング熱で死亡している。
今年最初の2週間で昨年全体とほぼ同じ214件の発症例を数えたバウルー市は行政側がデング熱流行の危険があると認めた。市の保健局も「今年に入ってデング熱2型の発症を記録した。この型の予防接種は行われておらず、免疫のある市民がいないので、より懸念される」としている。
同市は夜間の殺虫剤散布を強化したと発表。今年に入ってから、州全体のおよそ半分の299件の発症が確認されたアンドラジーナ市も、22日夜、殺虫剤を散布した。
サンパウロ州保健局によると、州内北部、北東部の自治体のほとんどでデング熱流行の危険性がある事が昨年末の調査で明らかになっている。
現在、2型ウィルスの循環が確認されているのは、アンドラジーナ、アララクアラ、バレットス、バウルー、ベベドウロ、カタンドゥーヴァ、エスピリトサント・ピニャル、インジア・ポラン、イピグアー、イタジョビ、ミラソル、ペレイラ・バレット、ピラシカーバ、ピランギ、リベイロン・プレット、サントアントニオ・デ・ポッセ、サンジョゼ・ド・リオ・プレット、ウチョアー、ビスタ・アレグレ・ド・アルトなどだ。