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バルボーザ長官=長官代行の不処理責める=クーニャ下議の刑執行で=最終署名行なわずに休暇=「私でなく最高裁の判決」

ニッケイ新聞 2014年1月24日

連邦最高裁のジョアキン・バルボーザ長官は22日、ジョアン・パウロ・クーニャ被告(PT、元下院議長)に関してメンサロン事件の上告を却下し、あとは刑執行命令だけになっていたが、自分の休暇中に他の判事が残りの処分を実行しなかったことを批判した。23日付伯字紙が報じている。

バルボーザ長官は6日、クーニャ被告の「間接的な汚職」「公金横領」に関する上告を却下して、同被告に即刻の刑執行を命じた。現職の下院議員でもある同被告は、昨年に9年4カ月の判決を受けていたが「マネーロンダリング」に関しての判事投票結果が5対4と接戦だったため、その分の3年を差し引いて6年4カ月の実刑判決を受けていた。

クーニャ被告はその判決を受け入れ、7日にもブラジリアの連邦警察に出頭するつもりでいたが、そうならなかった。バルボーザ長官が判決書に自身の署名を行なわずに休暇に入り、7日に欧州に向かってしまったからだ。このため「これは2月に再開する下院が、クーニャ下議の罷免を正式に下すのを待てということなのか」という憶測も流れていた。

しかし22日、バルボーザ長官は滞在先のパリから、自身の休暇中に、なぜ長官代行を任ずる判事が適切な処置を行なわず、判決の下りた被告を野放しにしたままにしているのかとの批判を行なった。

バルボーザ長官は、判決書に署名しなかった理由を「下院に対しての正式な通達を書くことが出来なかったからだ」と説明し、「もし私が代行を頼まれたなら、迷うことなくこの判決に従い、しかるべき処理を行なった」と語った。

バルボーザ長官の不在の際はカルメン・ルシア判事が20日まで長官代行を行い、それ以降はリカルド・レヴァンドウスキー副長官が行っている。カルメン判事はこの件に関して直接コメントをしていないが、レヴァンドウスキー副長官は「刑執行に関しては報告官を担当した判事に権限がある、というカルメン判事の意思を尊重した」と語っている。

バルボーザ長官はカルメン判事について「電話ひとつよこしてこなかった」と批判した。さらに同長官は「どうも、メンサロン事件に関して〃ジョアキン・バルボーザが裁いている事件〃という印象があるようだ」と語り、「これはあくまで最高裁としての判断だ」と強調した。

だが最高裁判事の中でも、このバルボーザ長官の見解には賛否両論で、3人の判事が「長官が最後まで終えてから休暇を取るべきだった」としている。クーニャ被告の担当弁護士アルベルト・トロン氏も「自分の過失を他の判事のせいにするとは」と皮肉った。

エスタード紙はバルボーザ長官の今回の欧州旅行が公費でまかなわれているという報道を行なっていたが、それに対し同長官は「何をばかげたことを」と一蹴した。