サンタンデール銀行やジェツリオ・ヴァルガス財団によると、今年の家庭消費は、ブラジルの景気の回復が本物になってきた事をこれまで以上に明確に示すものになると見られているようだ。
銀行やコンサルタント会社は、今年の家庭消費は昨年比で2・5~3%成長すると見ている。サンタンデール銀行では、今年の家庭消費は2950億レアルに上り、2013年以降で最もよい結果となると見ている。
同行所有の2000年以降のデータを見ると、家庭消費が最も伸びたのは08年の6・5%で、リーマンショックなどが起きた09年は4・5%に下がったものの、2010年は6・2%に回復した。
しかし、11年後半からの経済活動減速化を反映し、11年4・8%、12&13年3・5%と、年々低下。景気後退に陥っていた15、16年は、3・2%と3・9%のマイナス成長を記録した。
景気後退期を抜けたといわれた17年以降は、1・4%と1・8%の成長を遂げたが、リーマンショック当時は家庭消費がブラジル経済を後押しした事を考えると、伸び幅は決して大きくない。
だが、ここ数年間で予算の組み方などを変えた一般消費者が、穏やかながらも回復してきた雇用や所得、貸付枠拡大などの諸要因を背景に信頼感を回復。購買力が少しずつ向上し始めた事、低金利などで購買意欲も増しているようだ。
ジェツリオ・ヴァルガス財団のヴィヴィアネ・セダ氏は、「今年は経済活動が回復すると見る消費者が増えており、将来に対する肯定的な見方も強まっている」という。
同財団によると、今年1月に行った調査での将来に対する消費者の信頼感指数は111・6ポイントで、13年2月以降で初めて、110ポイントを超えた。
また、貯蓄預金を取り崩して何かの支払いに当てた人や、負債を抱えている人の割合も少しずつ小さくなっており、家計のバランスが取れてきているという。
インフレ率低下や金利低下などを背景とした家庭消費の改善傾向は18年も確認されていたが、昨年5月のトラックスト長期化や、選挙の行方が見えなかった事などで、消費者信頼感指数は伸び悩んでいた。
しかし、今年は、景気が回復すると本気で考えている消費者が増えているという。
なお、消費の動向をより敏感に反映するスーパーマーケットの雇用創出数(全国)は、17年の1万8589人が18年は3万5034人に、88%も増えたという。
(30日付G1サイト、同日付グローボ局ニュースより)