現在、アラブ首長国連邦で開催されているサッカーのAFCアジア・カップ。今回のトーナメントで日本代表は大活躍し、今日1日ブラジリア時間の正午にカタールと優勝をかけて決勝を戦うが、これは南米サッカー界にとっても思わぬうれしい結果となった▼なぜなら、6月に行なわれる、サッカー南米一を争う「コパ・アメリカ」で、今年のゲスト参加の2国がまさに日本とカタールだったからだ▼それにしても「南米一を争う大会に、なぜアジアの国が参加?」と思う人も少なくないだろう。それはコラム子とて同じだ。正直な話、かなりの違和感がある。それでも、こういうことが行なわれてしまうのは、国際サッカー連盟の区割りのいびつさに由来するものだろう▼南米サッカー連盟(CONMEBOL)に加盟している国はわずか10カ国で、世界のサッカー連盟の中で最小だ。加盟国そのものはどこもきわめてレベルが高いため、緊迫した試合が期待はできる。だが、いかんせん、参加国が毎度同じ顔ぶれのため、見ている側からすれば、新鮮味がどうしても感じられなくなる▼「いっそのこと、あまりレベルの高くない北中米カリブ海サッカー連盟(CONCACAF)と合併すればいいのに」とも思うのだが、どうやらそういうわけにもいかないらしい。その解決策として、こうした2国のゲスト国案があるようだ▼だが、いざ「呼ばれる側」の方も、なかなかプレッシャーがかかるものだ。なぜなら、南米は世界でも有数のサッカーどころ。そのレベルに合わないような試合をしてしまっては「ただ、数合わせだけのために呼ばれた」とからかわれてしまうからだ。今大会は、おそらく「2022年のW杯開催国」ということでカタールが招かれ、その絡みで「アジアからもう一国」ということで日本ということになっていたのだろう。ただ、「日本もカタールも、弱いままでコパ・アメリカ参加だと、かっこつかないな」とコラム子は思っていた▼すると、幸いにもこの2国がアジア・カップで大活躍。その結果、「アジアの優勝、準優勝国」として参加できることになった。これなら、アジアのことをあまり知らない南米のサッカー・ファンにも「あの地域で一番強い二つのチーム」ということで、それなりに敬意を持って迎えられる。日本から入ってくる情報を得て、コラム子は胸をなでおろしているところだ▼その日本代表だが、コパ・アメリカでは、予選リーグではセレソンとは別グループになったので当たらない。セレソンはAグループでボリビア、ベネズエラ、ペルーと同組。日本はCグループでチリ、ウルグアイ、エクアドルと同組だ。なお、チリ戦は本紙が拠点とするサンパウロ市のモルンビ・スタジアムで6月17日に行なわれる▼コラム子の希望としては、日本代表になんとか予選リーグを突破してもらって、決勝トーナメントでセレソンと対戦してほしい。これまで、セレソンと日本代表の試合というと、序盤早々に点を決められ、後半は控え選手も投入され、軽くいなされる感じで、悪い言い方をすれば「相手にされてない」印象。そんなイメージも、昨年のW杯での、とりわけ対ベルギー戦での死闘でだいぶ変わったようにも思える。そんなタイミングにこそ、あれがまぐれでなかったことを、ブラジル民が多く見ている前でアピールしてほしいところだ。(陽)