ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ベネズエラ》さらに狭まるマドゥーロ包囲網=「米帝国主義の手先」と反発=高まる緊張、救援物資到着は?

《ベネズエラ》さらに狭まるマドゥーロ包囲網=「米帝国主義の手先」と反発=高まる緊張、救援物資到着は?

軍の引き締めに必死のマドゥーロ大統領(twitter: @NicolasMaduro)

軍の引き締めに必死のマドゥーロ大統領(twitter: @NicolasMaduro)

 【既報関連】1月23日にフアン・グアイド国民議会議長が暫定大統領就任を宣言し、独裁体制を敷くニコラス・マドゥーロ大統領と、二人の大統領並び立つという非常事態に陥っているベネズエラ情勢は、2日から4日にかけても動きがあった。2~4日付ブラジル各紙・サイトが報じている。
 グアイド氏の主張は、「マドゥーロ大統領の継続に正当性がない。よって憲法に基づき国民議会議長の自分が暫定大統領に就任、30日以内に大統領選挙を行う」というものだ。
 2日にはベネズエラ空軍のフランシスコ・ヤネス中将が「独裁者マドゥーロを大統領と認めない。グアイド暫定大統領を支持する。国民の皆さん、軍の90%はもはや独裁者と共にはいない」と語る動画をYouTubeに配信。ヤネス中将はグアイド支持を公式に表明した最高位の軍関係者となった。
 故チャベス元大統領の大統領就任20周年記念日だった2月2日は、両陣営が首都カラカスで集会を開き、お互いの正当性を主張した。
 グアイド氏は集った支持者に向かってマドゥーロ氏に退陣を叫び、自分への支持姿勢を見せている米国、EUらへの謝意を述べた。また、近日中に諸外国からの人道支援策として、救援物資が届くと表明、軍にも物資搬入部隊の入国に協力するよう呼びかけた。
 他方、半年振りに民衆の前に姿を見せたマドゥーロ大統領は、グアイド陣営を「米国帝国主義の手先」と非難、ベネズエラが餓死者も出るほど困窮しているのは、米国の経済制裁のせいだとし、支援物資に関しても「人道支援に名を借りた軍事介入」と、受け取りを拒否した。
 米国のトランプ大統領は3日に放送されたTVインタビューで、軍事介入も選択肢の一つと発言、マドゥーロ大統領への圧力を強めている。
 EUも、2月3日までに大統領選挙実施を求める最後通告をマドゥーロ大統領に送っていたが、同大統領は「誰からも最後通告を突きつけられる筋合いも、従う理由もない」と拒否した。
 3日の期限切れを受け、翌4日にはスペイン、ドイツ、英国、フランス、スウェーデン、デンマーク、オーストリア、オランダ、ポルトガルなどがグアイド議長を暫定大統領として承認した。
 また4日には、ブラジル、コロンビア、カナダなど米州諸国14カ国からなり、ベネズエラ民主化(マドゥーロ退陣)を求めるリマ・グループも4日にカナダで緊急会合会合を開いた。