現観光相マルセロ・アルヴァロ・アントニオ氏は昨年10月の選挙の際、社会自由党(PSL)のミナス・ジェライス州支部長として、同党候補者に政党支援金から支給された選挙費用を、側近や親族企業に横流しさせていた疑惑が発覚したと4、5日付フォーリャ紙が報じている。
アントニオ氏は2010年に下議に初当選。3期目を狙った昨年10月には、同州で最多得票を獲得して再選していた。現行制度では、党ごとに得票が集計され、議席が割り当てられるので、一人大量得票者がいれば、残りの泡沫候補を数人巻き添えに当選させられる。
企業献金が禁止された現在、国庫から政党基金と選挙基金の二つを通して、党ごとに選挙費用が支給される。党の州支部長は、どの人物を候補者に認め、誰にいくら選挙費用を割り当てるかを決める権限がある。
その制度を悪用し、本人が大量得票したおまけで泡沫候補を何人か当選させ、その泡沫候補に割り当てていた選挙費用の一部を、戻させるという手口だ。
同紙によると、4人の女性が連邦下議や州議に出馬して選挙資金を振り込まれるやいなや、アントニオ氏の側近らに合計27万9千レアルを横流しさせていた容疑だ。
金の行き先はまず、アントニオ氏の側近マテウス・フォン・ロンドン・マルチンス氏の経営する企業に3万2千レアル回っていた。ロンドン氏は現在、観光相特別補佐になっている。
また6万3千レアルが、同じく側近のロベルチーニョ・ソアレス氏の兄レジナウド氏が経営する複数の企業に回されていたという。
残りの18万4千レアルのみが本来の目的である、同党のミナス州地区のパンフレット作成費などに回されていたとみられる。
候補者の中のひとり、リリアン・ベルナルジーニョ氏は、アントニオ氏側近のハイサンデル・デ・パウラ氏に極めて近い人物で、リリアン氏は6万5千レアルの支援金をすぐに横流ししていたという。
この4候補の得票数はいずれも1千票にも満たない泡沫候補だった。
この疑惑は、PSL公認で出馬をしたクレウゼニール・バルボーザ氏が、昨年12月に連邦検察庁に訴えたことで明らかとなった。それによるとこの女性は昨年の10月に州議選出馬を行ない、支援金を得た際に、アントニオ氏の側近から「5万~6万レアルをよこすように」と迫られたが、頑なに拒否した。
アントニオ氏が現在は観光相であるため、連邦検察庁ではこの件の捜査を最高裁に回すか、選挙支部で起こった疑惑のためミナス州選挙地裁に回すか検討している。
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