Jリーグでのプレー経験もあり、現在はブラジル国内リーグの名門クルゼイロでエースナンバー10を背負うチアゴ・ネベスが軽い気持ちで行なったインスタグラム投稿が大ひんしゅくを買い、慌てて謝罪するという事件が起こった。
ことの始まりは2月4日。ネベスは、ライバルチーム、アトレチコ・ミネイロの練習場の外観写真をインスタグラムに投稿した。
練習場は、土手が盛り上がった形になっている。ネベスはそれをダムの堤防に例えて、「ここのダムも一回崩れ落ちたね。住民のみなさん、気をつけて」とテロップを付けたのだ。
クルゼイロとアトレチコ・ミネイロが本拠とする都市ベロ・オリゾンチから程近いブルマジーニョでは、1月末に大型鉱山ダムが決壊し、大量の汚泥が周辺市街や河川に流出、死者は130人を超え、今も救助活動が続いている最中だ。
アトレチコ・ミネイロが2005年に全国リーグの2部に「落ちた」ことと、ダムが「崩れ落ちた」ことを同じ“cair”という動詞を使ったダジャレのつもりでネベスは投稿したが、この行為に多くの非難が集った。
からかわれた当事者のアトレチコ・ミネイロも、「我々は悲劇を面白がったりはしない。被害に遭われた方を助けるのに精一杯」と、公式ツイッターに投稿した。
ネベスは自分に向けられた多くの批判の声に驚くと共に、事の重大さにも気付き、投稿を削除した上で「ライバルをからかう目的でしたが、冗談を逸脱していました。許しを請います」と書き込んだ。
ブラジルでは、選手同士だけでなく、チームの公式ツイッターなどでも挑発的なメッセージを頻繁に載せている。「そうしたやり取りもサッカー文化の一部」と、マスコミも面白おかしく報道する。だが今回のように、100人以上の死者が出た事故をジョークにした画像の投稿は、明らかにネベスに非があった。
5日の時点でも、スポーツマスコミを中心に反響が残っているが、クルゼイロ側からネベスへの処分などは発表されていない。