【既報関連】1月末にミナス州ブルマジーニョで発生した鉱山ダム決壊事故の捜査で、ダム強度鑑定を行った技師のナンバ・マコト氏が、事故の2日前にダムの圧力計に異常がある事実をEメールでやり取りしていたことが分かった。また「ヴァーレ社から強度証明書に署名するように圧力を受けた」と供述していたと、8日付現地紙が報じた。
ダム所有会社ヴァーレ社と、強度の鑑定を請け負っていたTuvSud社との間で、「圧力計に問題がある」としたEメールのやり取りがあった事を連邦警察は突き止めている。「圧力計に問題がある」とのメールがTuvSudとヴァーレ社の間でやり取りされたのは事故の前々日、前日の1月23、24日だ。
ダムには定期的に状態を報告する圧力計が取り付けられていた。事故の15日前、1月10日の圧力計のデータからは、異常、故障は読み取れなかった。ナンバ氏は連警に問いただされ、圧力計の数字データについては「事故後にはじめて知った」と答えた。
ただしナンバ氏は、「事故発生前、もし現場に自分の子供がいたら、どうするか?」と問われ、「子供はすぐにその場から離れさせ、ヴァーレには、緊急事態プランをすぐに発動させるように進言する」と答えたという。
TuvSudのナンバ氏と、もう一人の強度鑑定技師アンドレ・ヤスダ氏の取調べを担当したルイス・ノゲイラ警部は、「取調べ内容は秘密事項で、ナンバ氏がマスコミに漏らした取り調べ内容に関して、一切コメントしない」と語った。
連警による取調べの中で、TuvSudの技師ナンバ・マコト氏は、「ヴァーレ社の社員に、ダムの強度を証明する書類に署名するように圧力をかけられた。一旦は『18年6月の定期検査後にTuvSudが出した改善勧告を行うなら署名する』と答えたが、結局署名してしまった」とも、連警に供述したという。
事故から4日後の1月29日にTuvSudの監査技師2人と、ヴァーレ社の従業員3人が殺人、環境犯罪、文書偽造の容疑で逮捕され、取調べを受けていた。
事故は150人の死者を出し、未だ182人が行方不明となっている。
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