パウロ・ゲデス経済相は7日、「年金改革の次は、有給休暇や13カ月給を削る気では?」と問われ、「それらの権利を労働者から奪ったりはしないが、新たな労働形態、雇用形態を制定することを考えている」と答えたと、8日付現地紙が報じた。
現在ブラジルでは、青い表紙の労働手帳が使われている。だが、経済相は、雇用者側が労働者に対して果たす義務の少ない雇用形態を作り、そうした契約には緑や黄色の表紙の労働手帳を使用するつもりだという。
同経済相は、「年金改革と労働法関連問題を一緒くたにしたら、年金改革成立の妨げになる」とした。優先課題の年金改革の決着がつくまでは、労働法問題を議会に提出しないつもりだ。
前テメル政権期に改正労働法が成立し、時短労働が法制化されたことで、労働市場の柔軟性を高めていた。しかしゲデス経済相は、「今の制度も、まだ時代遅れ。実情に合っておらず、特に若い労働者が職に就くのに妨げになっている」と評価している。
経済相は、「非正規雇用者が4600万人も存在するのは、正規雇用の場合、企業が給与以外に負担しなくてはならない分が多すぎるから」とし、「君たちジャーナリストだってそうだ。給与だけ払えばよいなら、君一人を雇うためにかかる金で、2人を雇えるんだ」と語った。
労働法改革はまだ具体性を帯びていないが、ゲデス経済相は、改革の意思を積極的に話し、世論の反応を見ることで、年金改革成立後の布石としていると言えそうだ。
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