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MVMC=低所得者層ほど支給遅く=住宅供給の銀行審査が遅滞

ニッケイ新聞 2014年1月24日

 PT政権の看板政策の一つ、低所得者向け住宅供給政策「ミーニャ・ヴィーダ、ミーニャ・カーザ」(MVMC)の第2期事業(2011~14年)について、3層に分けられた対象所得階層のうち、最貧層への譲渡実績が最も低いことが判明した。22日付エスタード紙が報じている。

 都市省が発表したデータによると第2期事業報告によれば、対象となるの所得層は三つに分かれている。13年12月の時点で最貧層の「タイプ1」は所得1600レアル以下、「タイプ2」は1600~3200レアル、「タイプ3」は3201~5千レアル。

 この「1」がもっとも低い物件引渡し率15%に留まっている。対象となる94万世帯に対し約14万世帯だけだ。

 一方、「2」の対象となる90万世帯のうち約68万世帯には引き渡し済みだ。「3」に関しても30%しか引き渡されていない。ただし対象となるのが約21万2千世帯と、他のタイプより数が少ない。

 2009年からの第1期MVMCから含め、政府は「1」に732億レアルを投資している。「2」には63億レアルだから、実に10倍以上の予算を割いている。

 この理由についてエスタード紙は「1」と「2」「3」の住宅の建築から、契約に至るまでのサイクルの違いをあげている。「2」「3」の住宅に関しては複数の企業が建築を任されているのに対し、「1」では1企業に集中している。

 さらに、審査にも問題があると指摘している。契約審査を担当するのは連邦貯蓄銀行とブラジル銀行の2社だが、「2」と「3」の住宅の視察や契約には頻繁に訪れるのに、「1」には半月に1度しか訪れない。銀行側は「『2』や『3』の審査をより厳しく行なっているから」と説明する。

 また「1」の住宅はほとんどが各都市の周辺部に位置している関係で、その土地に関する市の建設許可がでる速度が遅いのも問題だという。