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ベネズエラ情勢=「軍はマドゥーロから離れよ」=トランプ米大統領が演説=運命の23日、援助物資入るか?

トランプ米大統領(Michael Vadon)

トランプ米大統領(Michael Vadon)

 【既報関連】米国のトランプ大統領は18日、フロリダ州で演説を行い、ベネズエラのマドゥーロ大統領支持の軍部に対し、「マドゥーロ大統領を支持するのをやめるか、全てを失うかだ」と語ったと、19日付ブラジル各紙・サイトが報じた。
 独裁体制化で反対派を弾圧、経済失政も重なり、混乱に陥っているベネズエラでは、1月23日に「マドゥーロ大統領に統治能力なし」として、国民議会議長、ファン・グアイド氏が暫定大統領就任を宣言した。
 飢餓や医薬品不足に陥るベネズエラに、米国は人道支援物資を届けようとしている。グアイド陣営はそれを受け取ろうとし、「人道支援搬入は軍事介入の隠れ蓑」として物資搬入を拒否するマドゥーロ政権と対立を強めている。今は、軍が動員されコロンビア国境の橋が封鎖されている。
 トランプ米大統領は、「平和裏な権力の移行を望むが、全ての選択肢をとりうる」とも語り、武力行使の可能性を示唆した。米大統領は、ベネズエラ軍がマドゥーロ大統領を支持し続けるなら、彼らに難民の権利は保障しないし、ベネズエラから逃げおおせる事もできず、全てを失う事になると語った。
 「マドゥーロ対グアイド」の構図は“代理戦争”の様相を呈している。米国、カナダ、EU諸国など50カ国以上がグアイド支持で、日本も19日(現地時間)に、河野外務大臣がグアイド氏支持の立場を明確にした。一方、ロシア、中国、北朝鮮、イラン、トルコなど14カ国がマドゥーロ支持だ。
 米大統領は「マドゥーロを支持しているベネズエラ軍は、自らと国の将来を危険に晒している。マドゥーロ氏は愛国者ではなく、キューバの傀儡」と呼び、中米キューバ、ニカラグアの社会主義政権も批判した。
 米国は、ベネズエラと国境を接するコロンビアの街ククタに、すでに大量の食料、医薬品、衛生用品などを運び込んだ。
 グアイド暫定大統領は「2月23日に人の鎖を作って物資を受け取ろう」と国民に呼びかけているが、グアイド氏の暫定大統領就任宣言から1カ月後である2月23日は、法的には新規大統領選挙の実施期限でもある。一つの節目になりそうだ。
 19日付アジェンシア・ブラジルは「トランプ大統領が、ベネズエラを含む中南米諸国からの移民が多いフロリダ州を演説場所に選んだのは、来年の大統領選挙に向けての人気取りのためでは」と分析している。