ミナス・ジェライス州で幽霊候補を介した選挙支援金(公金)の不正受給問題で、マルセロ・アルヴァロ・アントニオ観光相の側近が幽霊候補に選挙支援金の半額を関連企業に払うよう強要するワッツアップのやりとりが同州検察局に提出されていたことがわかった。21日付フォーリャ紙が報じている。アントニオ観光相は選挙当時、社会自由党(PSL)のミナス支部長を務めていた。
この問題は、昨年10月のミナス・ジェライス州知事選に出馬したクレウゼニール・バルボーザ氏が昨年12月18日に、「選挙の際に、自分に当てられた選挙支援金のうち3万レアルを、払い戻すように命令された」と訴えていたことが今月判明したことで明らかになった。
アントニオ氏はこれを受け、「訴えがあった後にすぐ調査を行なったが、それを示す証拠は出てこなかった」と反論していた。
だが21日付フォーリャ紙は、検察局に提出されたクレウゼニール氏の携帯電話によるワッツアップのやりとりのコピーを掲載した。
それによると、クレウゼニール氏は、「アイサンデルPSL」と表示された相手、つまりアントニオ氏側近のアイサンデル・デ・パウラ氏と会話を行なっていた。日付は昨年9月18日で、それはPSLが選挙支援金を高等選挙裁判所から支給された日だ。クレウゼニール氏には6万レアルが割り当てられていた。
それによるとアイサンデル氏はクレウゼニール氏に「印刷所に3万レアルをどうしても払ってほしいの。残りの分は私が自腹で払うから」と書かれていた。印刷所とはアントニオ氏の別の側近が経営しているものだ。
結局、クレウゼニール氏は支払うことはなかった。現在、彼女は党からの報復を恐れ、ポルトガルに滞在しているという。フォーリャ紙が同氏に取材したところ、「当初は6万レアルのうちの5万レアルを支払うよう望んでいた」とも語っている。
20日、ボルソナロ大統領は大統領府でアントニオ氏と会談を行なった。その具体的な目的は明らかにされていないが、同党内部ではアントニオ氏の更迭を望む声が高まっているという。18日にはペルナンブッコ州での同様の問題で、選挙期間中に党首を代行していたグスターヴォ・ベビアーノ氏が、関与の証拠も具体的になっていない状況で解任を命じられている。