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《ブラジル》上院議長に住宅の不正申告疑惑浮上=家1軒と土地5件が未申請=選挙法違反で既に捜査も

アウコルンブレ(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

アウコルンブレ(Antonio Cruz/Agencia Brasil)

 上院議長のダヴィ・アウコルンブレ氏(民主党・DEM)に関し、これまでに報じられてきた疑惑のほかに、過去6回出馬した選挙において、住宅資産の申告をほとんど行っていなかったという疑惑が生じている。25日付フォーリャ紙が報じている。
 アウコルンブレ氏は90年代に政界入りし、2002年に下院議員に初当選。以来、06、10年に下議に再選した上、12年のマラニョン州マカパー市長選(落選)や14年の上院議員選(当選)、18年のマラニョン州知事選(落選)などに出馬経験がある。
 だが、その間、個人資産の申告を選挙高等裁判所にほとんど行っていなかったことが明らかとなった。昨年の選挙時の登録は、2014年の選挙時に申請した58万5千レアル相当の家1軒と、銀行口座にあった預金やファンドの計77万レアルのみ。それ以前は、06年にヨットと乗用車、バン各1台の計13万レアルが1回申告されただけで、02、10、12年の選挙では個人資産の申告がなかった。
 だが、マカパー市での登録によると、同氏は1999年に既にマカパー市の中心地から6キロ離れた「プラトン兄弟公園」という住宅地に375平米の土地を所有していたのをはじめ、多くのアパートや一軒家の購入を行っていた事実があるという。
 2006年、11年には02年と同じ面積の土地の購入が記録され、12年3月には、その三つの土地に179平米の一軒家を建てたとの届出がなされている。
 12年1月には、14年に登録したのとは異なる住所に58万5千レアルの一軒家を購入。プラトン兄弟公園内で入手した4件目の土地は、12年8月に売却している。
 他方、14年に申請した一軒家はマカパー市の登記所に登録されていない。市役所によると、この一軒家は彼の親戚の名義となっているという。
 さらに、2015年には450平米の土地を2区画購入しているが、選挙高裁には申請されていない。
 この時点でアウコルンブレ氏は2軒の家と5区画の土地を所有していることになる。
 民法350条では、こうした資産の申告を怠った場合や虚偽の申告をした場合、最長5年までの実刑に問われる可能性があるという。
 アウコルンブレ氏は2014年の選挙で選挙法に違反したとして三つの捜査案件があると、2日の上院議長選の時から指摘されていた。