【既報関連】国税庁特別局長のマルコス・シントラ氏が26日、守秘事項である国税庁の調査内容が外部に流出している件について、連邦警察に調査を依頼したと、26、27日付現地各紙・サイトが報じた。
調査内容の漏洩(ろうえい)は、今月はじめにVeja誌が「最高裁判事ジウマール・メンデス氏と妻のギオマール・メンデス氏に汚職、資金洗浄の疑いあり。国税庁捜査中」と暴露した事や、26日付エスタード紙が「最高裁長官ジアス・トフォリ氏の妻、ロベルタ・ランジェル氏や、連邦高等裁判事イサベル・ガロッチ氏が国税庁の捜査対象に入った」と報じた事で明らかになった。
国税庁は情報が漏れた事自体を問題視し、「予備分析対象者となった納税者の実名が漏洩している最近の報道に関し、(庁内で)守秘義務違反が発生しているのではないか、連警を動員し、捜査する事を、法務省に依頼する」と書面で発表。同庁は、「あくまでも税務データ予備分析の段階で、正式な捜査は始まっていなかった。不正を疑われる証拠も確認されていない」と強調した。
国税庁は「全ての納税者に関して、客観的基準に基づき、複数のソースからのデータを照合し、違反の有無を分析している。分析の結果、継続捜査が必要とされれば納税者に召喚状が送られる」とした。現時点では名前があがった人物への召喚状送付はされておらず、捜査も始まっていない。
国税庁はまた、不正や違反の機会も誘惑も多く、一般人よりも一層透明性を問われるべき立場にある、公職者やその親族などには特別な方法でチェックする方法がある事も明かした。これによって、昨年以降、134人が「追加分析の必要あり」とされ、142件の捜査開始の提案が出された。79件が証拠なしとして棄却され、37件が捜査開始、26件が分析待ちの状態だ。
国税庁はさらに、情報を漏洩させた人物を特定すべく、庁内監査局を使っての内部調査を開始したとも発表した。
ブラジル連邦政府も、社会保障制度改革成立に向けた大事な時だけに、国税庁と司法機関との間での騒動がこれ以上大きくなる事を避けたいところだ。ボルソナロ大統領はメンデス判事との電話で、「騒動を心配している」と伝えたという。
また、シントラ特別局長は「国税庁は攻撃に晒されている。ならず者が確証さえ取れていない段階の情報を吹聴し、政府に打撃を与えようとしている」と語った。
連邦会計検査院(TCU)のブルーノ・ダンタス長官は26日、検察庁からの要請に応じ、情報漏洩疑惑に関連した、国税庁内の査察を行う事を決めた。