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《ブラジル》18年GDPは前年比1・1%成長=ストと選挙が足を引っ張る

裁縫工場の様子(参考画像・Marcelo Camargo/Ag. Brasil)

裁縫工場の様子(参考画像・Marcelo Camargo/Ag. Brasil)

 ブラジル地理統計院は2月28日、2018年の国内総生産(GDP)は6兆8千億レアルで、2017年比で1・1%成長したと発表した。同日付現地サイトが報じている。GDPの前年比増は、17年に続いて2年連続だ。
 また、GDPを総人口で割った国民1人当たりのGDPは3万2747レアルで、0・3%増だ。
 GDP成長率1・1%は、2018年の年頭に出た予想からすれば、満足できる数値ではない。
 しかし、5月のトラックストや、10月の大統領選挙前に広がった先行き不透明感、米中貿易戦争の激化に伴う世界経済の成長伸び悩みなどで、「年の初めに期待されたほどの経済成長は望めない」とのコンセンサスが市場関係者の間にも広がっていたため、2月28日の発表時には、大きな失望感はなかった。
 GDPは、国内で生産された全ての財、サービスに、公共支出や投資額などを合計したものだ。
 15年、16年のGDPはそれぞれ、前年比でマイナス3・5%、マイナス3・3%だった。17年と18年は前年比で1・1%ずつ成長したものの、いまだに15、16年のマイナス分を補うには至っていない。
 また、昨年のGDPを部門別に見ると、サービス業(1・3%増)、工業(0・6%増)、農牧畜業(0・1%増)、家庭消費(1・9%増)、政府支出(0%増)、投資(4・1%増)、建設業(2・5%減)、輸出(4・1%増)、輸入(8・5%増)だった。
 工業部門は5年ぶりにプラスに転じた。家庭消費は2年連続で全体の成長率を上回った。投資部門は4年ぶりに増加。建設業は5年連続のマイナス成長だった。