2月25日、ブラジルのベテラン俳優、ジョゼ・デ・アブレウ(72)が自身のツイッター上で突如、大統領就任宣言を行った。
本人曰く、「これは、1月にベネズエラで大統領宣言を行った「フアン・グアイド議長に触発された」とのこと。グアイド氏の場合は、独裁者マドゥーロ大統領に反旗を翻し、同国の憲法に則っての宣言だったが、ブラジル芸能界でも有数の労働者党(PT)支援者で知られるアブレウは、何の法律にも即さず、「自分の意思で決めただけ」の大統領宣言を行った。
ツイッター上のプロフィール写真には、ブラジルの大統領の象徴で、国旗の色である緑と黄色のたすきを右肩からかけた写真が載せられていた。
アブレウは大統領宣言を行った目的を、「現在服役中のPTの親玉、ルーラ元大統領を釈放してもらわないと困る。なぜなら、彼には公正大臣になってもらわないといけないから」と、架空の大臣職を口にした。
また、ブラジルで初めてLGBTであることを公言した連邦議員で、現在は殺人予告を受けて欧州逃亡中のジャン・ウイリス元下院議員を保健相に、昨年の大統領選でボルソナロ現大統領に敗れたフェルナンド・ハダジ氏を、以前に彼が実際にPT政権でつとめた教育相に指名した。
また、PTきっての庶民派政治家として知られたエドゥアルド・スプリシー氏に「良心相」という架空の役職を与えた。
アブレウは極右のボルソナロ現政権を常に批判しているが、ツイッター上では、「我々の戦いはこれからも続くが、ユーモアと風刺の精神を忘れてはいけない」と書き、今回の行為の目的を明かした。
このパロディはおおむねジョークとして好評だったが、熱心なボルソナロ信者として有名な一年生下院議員、元ポルノ男優のアレッシャンドレ・フロッタ氏のように「訴えてやる」と息巻く人も出ている。(2月26日付フォーリャ紙サイトより)