「若手日系人の集い」で初めて知ったが、政治とは無縁だったキム・カタギリ連邦下議(23歳)が、社会問題に関心を持つようになったキッカケは、高校の授業で取上げられたボウサ・ファミリアだった。「国の発展のための政策だと教わったが、詳しく制度を調べてると、単なるばら撒きに過ぎないと思った。そこで批判ビデオを作りユーチューブに投稿すると『他の話題も話してくれ』と言われるようになった」と振返る。
経済セミナーに参加して知識を深め、そのユーチューブの番組は一躍有名に。経済は専門用語が飛び交うので理解が難しい。「だからこそ、分かりやすい言葉で国民に政策を説く必要性を感じた」。その流れからブラジル自由運動(MBL)が誕生したという。
ジウマ大統領弾劾を目的とした一連の政治デモを行い、ブラジリアまで徒歩で向かうデモ行進で世間の関心を集めた。
カタギリ下議は1カ月の議員生活を振返り、「無駄な経費削減に取組んでいる。年金改革は非常に重要。ブラジルにおける最大の議論が、今年行われる」と結んだ。彼から刺激を受けた新しい日系社会リーダーがこの「若手日系人の集い」から生まれることを大いに期待したい。(航)