【既報関連】ベネズエラのマドゥーロ大統領が6日、内政に度々干渉したとの理由で在ベネズエラのドイツ大使を「好ましからざる人物」に指定し、国外追放すると発表したと、6、7日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
48時間以内の国外退去を命じられたのはマルティン・クライナー大使だ。同大使はフアン・グアイド暫定大統領が帰国した4日も、グアイド氏の逮捕回避のために国際空港に赴いたりしており、内政干渉を繰り返したとされている。
同大使の行動は、マドゥーロ氏がグアイド氏拘束を示唆した事などを受けたもので、他の欧州諸国の大使やチリの大使も空港に赴いた。だが、追放処分を受けたのはクライナー大使のみだ。
ドイツは早速、この決断に対する抗議の意を表明。同国外相は、「この措置は両国の間の緊張を高めるだけ」と警告後、「欧州諸国のグアイド氏支持は揺るがない」と明言した。また、欧州連合(EU)も7日、ベネズエラ政府に再考を求める姿勢を見せた。
ベネズエラは6日、米国人ジャーナリストのコディ・ウェッデル氏(28)と、助手でベネズエラ人のカルロス・カマッショ氏の身柄を一時拘束した後、ウェッデル氏の強制送還措置も採った。現地メディアによると、ウェッデル氏は自宅で逮捕され、同日夜、釈放されたが、釈放と同時に空港に連行されたという。
米国はこれを受け、ベネズエラ政府の高官ら77人のビザを取り消すと即日発表した。
他方、グアイド暫定大統領は7日、ドイツ紙のインタビューに、欧米諸国がマドゥーロ政権への経済制裁を強化する必要を強調。「現政権に金が回れば、反体制派の市民や先住民を殺すために使われる」とし、ドイツ大使の国内慰留と、国際社会が一致して制裁を加える事を求めた。
だが、ベネズエラ政府が5日、9日に「反帝国主義」の抗議集会を開くと宣言した事もあり、ミシェレ・バチェレ国連人権高等弁務官は6日、国際社会による制裁は同国の経済的、社会的危機を悪化させると警告した。
ベネズエラは2月21日にブラジルとの間の国境封鎖を宣言するなど、孤立化する傾向にある。ブラジルとの国境封鎖は今も続いており、雑木林を抜けたりして行き来する人が後を絶たない。
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