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《ブラジル》社会保障制度改革に不安感=今年最高のドル高水準に

サンパウロ市株式取引場内の様子(参考画像・Caliel Costa)

サンパウロ市株式取引場内の様子(参考画像・Caliel Costa)

 世界経済の停滞懸念と、国内の社会保障制度改革進展への不安感が重なり、7日の為替相場は1ドル=3・886レアルで取引を終え、今年最高のドル高水準になったと、8日付現地各紙が報じた。同日の株式相場は前日比0・13%高の、9万4340・17ポイントだった。
 ボルソナロ政権は、市場から早期の社会保障制度改革実現を半ば義務付けられている。しかし、政府案が不評な事、安易な妥協姿勢を見せ始めた割に賛成を固めたわけでもない事、さらに、大統領のわいせつ動画投稿問題の騒動に市場が危機感を募らせた事が、レアル安、ドル高に繋がったと見られている。8日付現地紙などは、「市場と政権の蜜月時代の危機」とまで評した。
 7日の為替相場は、1ドル=3・90レのラインを上回る水準で推移していたが、取引終了間際に大統領が「ブラジルの発展は社会保障改革の成功にかかっている」との考えを改めて示した事で、レアルが値を戻し、1ドル=3・886レに落ち着いた。
 コンサル会社テンデンシアス社の共同経営者、アレッサンドラ・リベイロ氏は、「政権は発足当初から問題続き。わいせつ動画投稿でも、投資家からの信用を落とした」と語っている。
 また、「政府の政局調整(議員らへの根回し)は、まるで駄目。下院308、上院49を固めるための具体的な進展を市場は求めている」との声も、金融関係者からは聞こえている。
 なお、8日の為替相場は、午後5時の時点で1ドル=3・8702レアル、Ibovespaは9万5152ポイントだった。