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国際女性デー=暴力反対や平等求めるデモ=ブラジルは女性殺人増加の傾向

女性への暴行反対を訴えるプラカードを掲げて抗議集会に参加した女性達(Fernando Frazão/Agência Brasil)

女性への暴行反対を訴えるプラカードを掲げて抗議集会に参加した女性達(Fernando Frazão/Agência Brasil)

 国際女性デーの8日は世界各国で、女性に対する暴力や、性差故の不平等に反対する抗議集会やデモが行われた。
 ブラジルでは、女性への暴力は家庭内暴力や女性殺人といった形で集計されているが、家庭内暴力の場合は被害者の52%が被害届を出さないなど、実態把握が困難だ。
 それでも、7、8日付ブラジル国内紙サイトは、女性故に殺された女性殺人などの女性への暴力事件は増えていると伝えている。
 18年に殺人事件に巻き込まれた女性は4254人で、4558人だった前年より6・7%減ったが、男性も含めた殺人事件の犠牲者は約13%減った事を考えれば、減少率は小さい。
 他方、女性殺人の犠牲者は1173人で、1047人だった前年より12%増えた。殺人事件での女性の犠牲者増は8州に止まったのに、女性殺人は16州で増えた。
 女性が殺された割合が最も高かったのはロライマ州の10万人当たり10人で、殺された女性の増加率も87%(15人から28人)で最高だった。同州は難民増加や犯罪組織同士の抗争増加などで犯罪件数そのものが増えているが、犯罪組織に関わる女性が増えている事も、女性の犠牲者が増えた理由だという。
 他方、女性殺人の発生率が最も高かったアクレ州(10万人当たり3・2人)は、殺人事件に巻き込まれた女性の割合も10万人当たり8・1人で、全国で3位だった。同州も、犯罪組織や組織構成員に関わる女性の割合が増えている。同州での女性殺人の一例は、隣人の軍警(51)の不倫相手(34)が、妊娠を告げた2日後に殺されたというものだ。
 女性殺人や女性への暴行事件は今年も増加傾向にあり、4日にはセアラ州で、軍警が妻を射殺する事件と発砲して重傷を負わせる事件が連続、5日にはサンパウロ州ボルボレマで、カーニバルのフェスタ後に25歳の夫が29歳の妻を絞殺する事件も起きた。6日はG1サイトだけで、夫や恋人による女性への暴行、殺害事件が5件報じられた。
 性差故の不平等という点では、地理統計院が8日、女性の方が学歴が高いのに、平均給与は男性の79・5%の2050レアルと発表。国連は職員や役職者数を男女同数にしようとしているが、ブラジルでは性による雇用の機会や給与などの格差は依然として大きい。