旧財務省、旧企画省、旧商工サービス省と、旧労働省の一部を統合して発足した経済省は、3千人弱の人員削減を行ったが、同内部では現在、人員不足などで官僚たちが争っていると、13日付現地紙が報じている。
同紙は、「省内の様々な職域で、官僚たちが職員の奪い合いなど、人事を巡る軋轢に労働資源を費やしており、本来の職務の妨げになっている」と批判した。
職員の “振り分け”を巡る会議は、同省発足当初から何度も開かれてきたが、大きな進展はない。経済省傘下の国庫庁局長のマンスエト・アルメイダ氏などは、「本来の仕事以外の事に翻弄される状況が今後も続くなら、官吏として老いていくのはご免」と記者団に愚痴をこぼしている。
アルメイダ氏は人員配分に関する問題を解決するために会議に呼ばれたが、1時間半に及ぶ会議は紛糾し、このような愚痴をこぼした。省内では既に、同氏が「調整役としてのサジを投げたのではないか」との疑念も広がっている。
アルメイダ氏にはすぐに辞職する考えはないが、既に「現ゲデス経済相の任期をもって、経済省から離れる」との意思を漏らしている。
経済省の発表によると、3省統合によって、同省職員の総数は2987人分削減された。これは統合前と比較して15%の削減で、年間総計4360万レアルの人件費削減にもなる。
「3省統合、行政スリム化」の方針は前テメル政権の末期から言われており、ボルソナロ政権への移行班にも明確に打ち出されていたため、統合に備えた人事異動は、旧3省内で起こっていた。
「経済省内部では、職員を守ったり、人員を確保したりするための不要な努力ばかり。本来の目的を見失い、自己分解の道を辿っている」との声も内部からは出ている。
省内から噴出する職員の不満に対し、人事異動案件を省内七つの特別局の一つである財務特別局に一本化する案も、経済省内部からは上がっているが、同省関係者は同件へのコメントを避けた。