3月10日にエチオピアで、乗員・乗客157人を乗せたエチオピア航空302便が離陸直後に墜落した後、安全性に対する疑問が噴出していたボーイング737Max8型機に関し、ブラジルでも、民間航空監督庁(ANAC)が13日に、同型機の使用停止措置を採ったと13、14日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
ボーイング737Max8型機(以下、Max8型機)は、2018年10月にもインドネシアで同様の事故を起こし、189人が死亡したライオン・エア610便にも使用されていた。
ライオン・エア610便は離陸から13分で墜落し、エチオピア航空302便は離陸から6分でレーダーから姿を消すという共通点は、10日の事故直後から取り沙汰されていた。従来からあった、Max8型機は737型の中でも特に操縦が難しいとの声と合わせ、同型機は離陸時の上昇に何らかの不具合が起きやすいと見られ始めている。
Max8型機は世界中で59の航空会社が使用しているが、10日の事故後は同型機の使用を停止する国や航空会社が相次ぎ、ブラジルの航空会社GOL社も、11日に同型機の使用を中止する意向を表明した。
同社は既に12日に、同型機を使用していたブラジリア~マイアミとブラジリア~オーランド、フォルタレーザ~マイアミの3便をキャンセル。フォルタレーザ~オーランド便も、国内便で使用している737―800NG型機を使用した。
同社はこの時点で、今後の米国便には737―800NG型機を使用する意向も示した。同型機は機体が少し小さく、ドミニカで1度給油する必要がある。同社はMax8型機を7機所有しており、米国と南アフリカ、カリブ海諸国向けの便に使用していた。
なお、欧州航空安全機関や中国がMax8、同9型機の運航を停止した後も、同型機の使用停止措置はとらないとしていた米国も、13日にトランプ大統領の命令で運航を停止した。
米国の措置は、ボーイング社の要請によるものだ。同社は全世界でのMax8、9型機の運航停止を求めており、ANACもこれらの動きに倣った。ただ、ブラジルでMax8型機を使っていたのはGOL社だけなので、実質的な影響はない。