訪米中のボルソナロ大統領は17日午後にワシントン入り。同日は、セルジオ・アマラル駐米大使が主催した会食に参加し、トランプ大統領の右腕だったスティーヴ・バノン氏らをはじめとした保守派政治家たちと、中国との貿易依存を減らす必要などを話し合った。トランプ大統領との会談は今日19日に行われる。18日付ブラジル国内紙、サイトが報じている。
ボルソナロ大統領は17日の会食に、エルネスト・アラウージョ外相やテレーザ・クリスチーナ農相、パウロ・ゲデス経済相らと共に、ボルソナロ氏の極右思想におけるグル(師匠)と呼ばれているオラーヴォ・デ・カルヴァーリョ氏を帯同した。オラーヴォ氏はボルソナロ氏の隣に着いた。
この席でボルソナロ大統領は、「米国がブラジル製品の世界第2位の市場」であることを例に出し、外交関係を強固にし、西洋における民主主義を強化することが大事だと主張した。また、「古い共産主義がはびこるのをやめさせないとならない」と中国を批判した。
中国はブラジルにとって最大の貿易相手国であり、テレーザ農相はこの席で、中国市場はブラジルの農産物の35%の市場であり、肉類の市場拡大や輸出のための基準を満たす食肉会社を増やす必要性を語った。
だが、バノン氏はそれに対し、「オーストラリアはやはり、中国に頼りすぎ、経済が脆弱になった」と語ったという。
バノン氏は、中国は宗教に不寛容なことや投資のあり方も批判。長い目で見れば、韓国や日本との貿易を優先させていくのが良いだろうとした。
また、この日、オラーヴォ氏が参加したことで内部では緊張感があったという。それは、オラーヴォ氏が前日の16日にトランプ・ホテルで行った自身の著書などに関する講演会で、「周囲の閣僚が悪いので、このまま行くとボルソナロ政権は半年で崩壊する」と語っていたからだ。
関係者によると、この発言にゲデス経済相は不快感を示していた。このため、この日の会食でゲデス氏はオラーヴォ氏を「ブラジルのリベラルの革命家」と、からかうような口調で称したという。
ボルソナロ大統領とトランプ大統領との間の就任後初会談は、今日19日に行われる。この会談では、ベネズエラ問題、中国との交易問題を含む経済問題、米国人のビザなし入国などの件について話し合うと予想されている。