ホーム | 日系社会ニュース | シンポ=県連日本祭りでトヨタ生産方式導入=カイゼンで郷土食広場が大変身!

シンポ=県連日本祭りでトヨタ生産方式導入=カイゼンで郷土食広場が大変身!

和歌山県人会ブースの改善例(動画サイトYouTubeより)

和歌山県人会ブースの改善例(動画サイトYouTubeより)

 今月8日、在聖総領事館と県連が共催した「第一回日本祭り主催者シンポジューム」で、伯トヨタ自動車TPSグループのドグラス・クリスチアノ・ゴンサウヴェス氏がその成果を披露すると驚嘆の声が上がった。

 県連日本祭りの目玉で、最も集客力があり混雑する郷土食広場――110周年記念式典、ギネス挑戦が同時並行で開催され、21万5千人を超える過去最大の入場者数を記録した昨年日本祭りの大舞台の裏で、画期的な「KAIZEN(改善)」が実行されていた。

 同祭最大スポンサーの一つである同社は「無理」「無駄」「ムラ」を徹底的に排除し生産効率を高める『トヨタ生産方式(TPS)』を郷土食広場全体に導入した。

 まず、同社が取組んだのは広場のテーブル席数の削減。混雑時に食事を取らずに座っている客が多かったことから、450から250まで削減。また、レジの列を一本化し、支払ったらすぐ隣で受け取れるようにした。食券も全屋台共通として、客の待ち時間を徹底的に削除した。

 さらに、県人会屋台の中にまで入り込み、調理手順の大幅改善を図った。食の準備過程においては交錯していた導線を一本にして円滑化。スタッフの役割を明確化して訓練を行い、屋台内の人数の最適化等を図った。

 これにより、高知県人会の鰹のタタキは、5人で3分13秒かかっていたのが2人で1分21秒で準備できるように。和歌山県人会のお好み焼きは、一皿11分30秒かかっていたのを4分50秒まで削減。売上げも、4935皿から5599皿に増加した。

 「問題がないのは、大問題」というのが、TPSの考え方。ドグラス氏は「TPSは特別な技術ではない。現地で県人会に入り込み、問題を見つけては話し合うなかで、解決していった」といい、一般人でも創意工夫を凝らせば改善が期待出来そうだ。

 動画サイト・YouTubeで、日本祭りでのTPS導入例(https://www.youtube.com/watch?v=gEo_1WXdU28)が紹介されているので、関心のある方には、参考になりそうだ。