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《ブラジル》アマゾナス州=20日からH1N1の予防接種=死者28人の事情鑑み、前倒し

予防接種キャンペーンに関する会議の様子(保健省公式サイト、Bruno Zanardo)

予防接種キャンペーンに関する会議の様子(保健省公式サイト、Bruno Zanardo)

 保健省とアマゾナス州政府が、同州のインフルエンザの予防接種キャンペーンは20日から始める事を決め、19日に同州のウィルソン・リマ知事が発表した。

 インフルエンザの予防接種キャンペーンは、例年、4月に行われるが、同州では2月以降、H1N1型のA型インフルエンザが大流行し、28人の死者も出ているため、キャンペーンを前倒しする事になった。

 昨年のアマゾナス州でのH1N1型インフルエンザの患者は17人で、死者も3人だったが、今年は既に、666人もの擬似症患者が報告されている。また、107人がH1N1型のインフルエンザに感染している事が確認されており、死者も28人に上っている。

 19日の発表は、同州保健局のフランシスコ・ギマランエス局長や、マナウス市のアルトゥール・ヴィルジリオ・ネット市長、保健省感染病予防局のヴァンデルソン・クレベル局長も同席して行われた。

 クレベル局長は、予防接種はウイルスの拡散を防ぐ事は出来ないが、患者や死者の発生を減らす事は出来ると説明。予防接種と並行して、頻繁に手を洗う、症状が出たら7週間は外出を避ける、人ごみや閉鎖空間を避ける、換気に気をつける、バランスの取れた食事を取り、水分を充分に取るといった注意を怠らない事も要請した。

 同局長は、医療関係者にも、症状が現れたら48時間以内に投薬を行う事などを求め、現場の対応の大切さを強調した。

 同州保健局は先週末から、各自治体の保健局と協力し、連邦政府が送付した100万人分以上の予防接種ワクチンの配布や、予防接種を行うための場所の整備などを進めている。ワクチンは、どんなに遠い地域でも22日までに届くという。

 優先的に予防接種を受けるよう勧められているのは、妊婦、1歳以上6歳未満の子供、医療関係者、先住民、高齢者、公立校や私立校の教師、慢性病や免疫が低下する病気の患者、刑務所の職員など。社会階層によっては12~21歳の青少年も対象となるという。

 なお、保健省は、今年は他の州でのキャンペーンも例年より約2週間前倒しし、4月10日から5月31日までとするとの意向も明らかにした。

 キャンペーン前半(4月10日~21日)の対象は、子供や妊婦などに限定されるが、22日以降は対象となるグループ全員が予防接種を受けられるようになる。(19日付保健省サイトより)