【既報関連】石油公社ペトロブラス(PB)は26日、ディーゼル油の価格調整の頻度を、これまでの1週間から15日間に変更することを決めたと、27日付現地各紙が報じた。
トラック運転手たちは昨年5月、原油の国際価格高騰により、国内の燃料費も上がった上、調整が小刻みだったことを不満とし、大規模なストを行った。6月のスト終了後に取り決めた「政府の補助金供出による、燃料価格据え置き」も昨年末で終了し、年明けからディーゼル油価格は高騰している。
このような流れの中、携帯電話アプリのワッツアップを使うトラック運転手たちの間で、「3月30日に再び大規模ストを」との声が高まっていたため、オニキス・ロレンゾーニ官房長官は22日に、トラック業界の代表らとの会談を行った。
トラック業界は席上、「ディーゼル油の価格変動を30日毎とする」ことや国家陸路輸送庁(ANTT)による最低運賃の査察強化、休憩所設置などの要望を伝えた。「国際価格や為替に応じて燃料価格を調整すると言うけど、我々は燃料費をドルで払うわけじゃない。PBは要望に応えようとしないが、政府に言えば少しは通るかも」と考えての要望だ。
PBは、価格調整の15日間凍結と共に、PB傘下のPBディストリブイドーラ(PBD)の給油所限定で、固定価格で給油できる、“トラック運転手カード”を発行することも決定した。
PBの燃料価格政策変更はトラック業界からの要望の一部にしか応えておらず、一部のトラック運転手たちは、再度のスト決行を呼びかけているようだ。
トラック運転手たちのリーダー、“ショロン”ことワラセ・ランジン氏は、「個人的にはストに反対」としながら、PBの提案は不十分との見解を表明。15~20のグループがワッツアップでストを画策していることや、30日のスト決行に反対しているのは、ミナス州、リオ州、リオ・グランデ・ド・スル州、リオ・グランデ・ド・ノルテ州だけであることを明らかにした。
ランジン氏は「トラック業界は9割が、昨年の選挙でボルソナロ大統領を応援した。少しは我々の要望も聞き入れられるべき」としている。
昨年5月に発生した大規模トラックストは年間GDP、インフレにまで影響を及ぼした。同様のスト再発を避けようと、政府は安全保障室(GSI)も動員して、トラック運転手たちの不穏な動きに備えている。