ブラジル地理統計院(IBGE)が29日朝、全国家庭サンプル調査(Pnad)によると、昨年12月~2月の3カ月間の平均失業率は12・4%で、1月までの平均失業率の12%を0・4%ポイント上回ったと発表したと同日付現地紙サイトが伝えた。
1月末時点の失業者は1270万人だったが、失業者数は89万2千人増の1310万人になった。年頭は例年、失業率が上昇する傾向にあり、昨年9~11月の3カ月間の平均失業率11・6%より0・8%ポイント高いが、昨年同期の12・6%よりは低い。失業者数自体は、昨年同期とほぼ同数だ。3カ月毎に見た失業率は、18年1~3月期の13・1%以降、8カ月連続で低下したが、その後は、横ばい1回をはさんで、2カ月連続の上昇となった。
IBGEによると、2月末時点の就労者数は9210万人。正規雇用者3300万人に対し、非正規雇用者は1110万人で、ほぼ3対1の割合だ。正規雇用者数は、昨年11月、昨年同期とほぼ同数だが、非正規雇用者数は、昨年11月比で4・8%減り、昨年同期より3・4%増えた。
また、個人企業または零細企業として登録し、労働手帳も持つ自営業者は2380万人いる。
ただし、労働法が改正された後、正規雇用者の数には、希望する時間数働いていないのに、労働手帳に記載されているために正規雇用となっている人も含まれるようになっている。
他方、就労可能な年齢だが、就職活動を行っていない学生、出産や高齢者の介護などで就労を諦めた専業主婦なども含めた、労働市場外の人(働いておらず、求職もしていない人)は6570万人で過去最高。昨年11月比で0・9%、昨年同期比で1・2%増えた。
失業して仕事を探している人に、本来働ける時間以下の時間しか働いてない人と、働く事も仕事を探す事も諦めた人を加えた労働力未活用率は24・6%(2790万人)。この数字は、通常の失業率では表に出ない失業者の実態を表し、こちらも過去最高だ。
また、働きたいが、長年仕事が見つからないなどの理由で仕事を探していない落胆者は490万人で、こちらも過去最高だった。
また、労働者の平均賃金は月額2285レアルで、昨年11月比で1・6%増えたが、昨年同期比ではほぼ同額だった。