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《ブラジル》ボルソナロ大統領、マイア議長との雪解け強調=社会保障改革に集中姿勢か

ボルソナロ大統領(Marcelo Camargo / Ag.brasil)

 【既報関連】「ページはめくられた」―。ロドリゴ・マイア下院議長(民主党・DEM)との“口論”の末、28日にボルソナロ大統領(社会自由党・PSL)はこう語り、対立を解消して、社会保障制度改革の成立に向けて協力する姿勢を示したと28、29日付現地各紙が報じた。

 ここ一週間程、「古い政治」「ツイッターばかり」と、両者は口角泡を飛ばしあっていた。

 マイア議長が26日、大統領へのあてつけのように、強制予算関連の憲法改正案(PEC)をスピード採決、承認させた事や、パウロ・ゲデス経済相が社会保障制度改革案を最初に審議する憲政委員会(CCJ)を欠席した事、PSLが同改革案のCCJでの投票を4月3日から17日に遅らせるよう求めた事で、金融市場に「社会保障制度改革危うし」の空気が広がり、27日は株価もレアルも大きく下げた。

 大統領の「ページはめくられた」発言の同日、マイア議長も、「口論はもう済んだ事。我々は社会保障制度改革成立に集中しなくてはいけない」と語った。マイア議長はゲデス経済相とも会談を行い、協力して議員たちとの折衝を行う事に同意した。

 議長と経済相の動きの背景には、こじれるばかりの大統領と議長の関係に業を煮やした企業関係者たちによる、「関係を修復し、社会保障制度改革を進めるように」との働きかけがあった。

 ただし、「下院議会内に存在する超党派の巨大勢力セントロンからは、『この辺で政府の出方を見てみよう』の声が聞こえる。大統領いびりは完全には終わっていないようだ」と29日付フォーリャ紙は報じている。

 しかしながら、休戦ムードを市場は好感。27日は3・57%下げたサンパウロ市株式市場指数も、28日には2・7%アップと反発した。一時は1ドル=4レアルに達する勢いだった為替も、28日は1ドル=3・91レで取引を終えた。

 また、予定より大きく遅れたものの、28日には、社会保障制度改革案に関するCCJの報告官が、マルセロ・フレイタス下議(PSL)に決まった。

 ゲデス経済相は、「多少の雑音があっても、行政府も立法府も本来の重要な役割を忘れる事はない。これからは全てが動き出す」と語っている。

 マイア議長との一応の和解は全て、記者団を通じた間接的な会話に止まっており、直接対面しないまま、ボルソナロ大統領は、30日から4月3日までの予定でイスラエルへの外遊に飛ぶ。