6日、ローマ法王は、サンパウロ州タンバウーの聖職者だったドニゼッティ・タヴァレス・デ・リマ司祭(1882年~1961年)を、福者に認定した。
この知らせは7日、タンバウーのノッサ・セニョーラ・アパレシーダ聖堂で行われたミサで公にされた。
ドニゼッティ司祭を福者に推薦した委員会のメンバーの一人のレオナルド・スピガ・レアル氏によると、今回の福者認定は、今は12歳になったブルーノ・エンリケ・アルーダ・デ・オリヴェイラさんがまだ幼かった時に、ドニゼッティ司祭の名で祈ったところ、足の障害が完全に治癒した事が奇跡と認められたためだという。
ブルーノさんは、足が内側にそった状態で生まれ、手術を受けても正常な歩行は困難という病気(先天性内反足)を患っていた。かかっていた小児科はブルーノさんに対して、整形外科で手術を受けることを勧めた。
だが、手術の前日にブルーノさんの母親がドニゼッティ司祭に祈りを捧げたところ、手術当日の朝、ブルーノさんの足は障害のない普通の状態になっていたという。
整形外科医は手術の当日、ブルーノさんの足のレントゲン写真を見た後に、母親に「あなたは神を信じますか?」と質問。母親が「信じます」と答えると、「ならば、神に感謝しなさい。神の業に他ならない」と語ったという。
この出来事は2016年にヴァチカン王国に報告されており、6日に奇跡と認定された。
ドニゼッティ司祭はミナス州カッシア生まれだが、タンバウーで35年間、司祭職を務め、亡くなるまで社会福祉関連の奉仕を行っていた。同司祭を福者に認定するための手続きは1992年からはじまっており、2017年には生前の働きを称える文書も発行されていた。
ドニゼッティ司祭は、ブラジル人では53人目の福者となる。サンパウロ州から認定された福者は36人目となる。
また、ジャーナリストのマウロ・ベチング氏も、自身の祖母が「足を切断しないといけない状況で、ドニゼッティ神父に祈ったら奇跡が起期、手術は不要となった」と証言しており、同神父の奇跡の伝説を語りついでいるという。同氏の父でやはりジャーナリストだったジョエウミル・ベチング氏(故人)も、パルド川で事故に遭い、声が出なくなった時、ドニゼッティ司祭の家でオクラ入りのスープを飲んだところ、声が出るようになったという経験の持ち主だったという。(9日付アゴラ紙、エスタード紙、G1サイトなどより)