12日、ボルソナロ大統領は、7日にリオで起きた、陸軍兵の誤認で80発の銃弾を受けた一般市民が亡くなった件に言及し、「陸軍は人を殺してなどいない」と、陸軍兵を擁護する発言を行った。12日付現地紙が報じている。
ボルソナロ大統領の発言は、アマパー州のマカパー空港落成式の際に、取材陣に答えたものだ。
この事件では、音楽家のエヴァウド・ドス・サントス・ローザさん(51)が、車を運転中に陸軍兵にマシンガンで80発以上を撃ち込まれ(内3発が背中に命中)、亡くなった。また、同乗していた義父と、彼らを助けようとした通行人が負傷した。同件では陸軍兵10人が逮捕され、9人はまだ拘置中だ。
これに対し、5日遅れでの反応となった大統領は、「正直な一般市民が亡くなったのは嘆かわしい。誰に責任があるのかは明らかにされないと」としながらも、「陸軍兵は誰も殺していない。陸軍兵は市民であり、誰も市民を人殺し扱いにはできない。あれは偶発的な事故だ」として、自身も所属していた陸軍の兵士を擁護した。
同件は、陸軍兵が誰何や車内の点検もせずに銃撃を開始したことや、市警ではなく、軍検察と軍裁判所が事件を扱うことなどで、国民の間で軍に対する強い批判が沸き起こっている。