【既報関連】8日夜の豪雨で死傷者も出たリオ市西部で12日、4~6階建ての建物が倒壊し、死傷者が出る事故が発生したと12日付現地紙サイトが報じた。
事故が起きたのは、ミリシアと呼ばれる犯罪者の民兵組織が支配する、ムゼマ地区だ。同地区はバーラ・ダ・チジュッカとアウト・ダ・ボア・ヴィスタの間にあり、丘に囲まれた盆地状の地形だ。同地区は8日に降った大雨のため、リオ・ダス・ペドラス市にも繋がる幹線道路が11日も冠水したままで、通行止めとなっていた。
建物2軒が倒壊したのは午前6時40分頃だ。豪雨後にひび割れなどが確認され、倒壊の危険性がある建物は他にも2軒あり、付近住民に退避命令が出た。一帯は立ち入り禁止にもなっている。
この地区は環境保護区で、アパートなどの建設は禁じられているが、ミリシアが支配していて、行政監査もほとんど行われていないため、4~6階建ての不法建築物が次から次に建てられ、売られている。現在も建設中の建物が約60軒ある。
リオ市は昨年11月、倒壊家屋の建築中止と取り壊しを命じたが、裁判所が取り壊しを禁ずる暫定令を出したため、工事は続けられ、入居者も出始めた。これを裏付けるように、倒壊家屋の住民らは、落成は6カ月前、結婚後に持ち家が欲しくて買った、1週間前に転居してきたばかりなどといっている。
現場には市防災局の職員や消防隊員、陸軍兵士らが駆けつけ、救出活動などに当たっている。
先日の雨で道路が遮断されている上、路面の穴などで交通が妨げられ、救急隊を含む消防士の到着が予想以上に遅れたため、最初の救出活動は住民達が行ったが、瓦礫の量が多いため、本格的な作業は消防の到着を待って行われた。8時過ぎには、2人の死亡が確認され、2人負傷と発表。その後、不明者17人との数字も出たが、救出作業は続けられており、生存者が助け出されるたびに歓声が上がった。
午後5時現在の死者は3人、負傷者は8人。消防は5時半現在も3人の所在を確認し、救出作業を行っている。防災局によると、同時点での不明者は13人だという。
なお、リオ市は現在、非常事態宣言下にあり、8日の夜出た警戒レベルも、土砂崩れなどが起きる可能性があり、最高位の3が保たれている。