社会自由党(PSL)の女性下院議員アレ・シウヴァ氏が11日、同党のマルセロ・アウヴァロ・アントニオ観光相が3月末に同氏への殺人を予告したことを耳にしたとフォーリャ紙へのインタビューで語ったことが判明した。アントニオ氏は昨年10月の下院議員選の際、同党ミナス・ジェライス州支部の幽霊候補(ラランジャ)を介した選挙割当金の不正受給計画を指揮したとされているが、アレ氏はその疑惑は事実だと語っていた。14日付フォーリャ紙が報じている。
アレ下議は昨年10月に、PSLのミナス・ジェライス州選出下議として初当選した。
だが、当選して間もなう、同党ミナス・ジェライス州支部が、名義だけの女性候補を使って、選挙割当金の受給を目的とした不正を行おうとしていたことを知ったという。
同州ではこれまでに、ラランジャ4人が選挙活動を行っていないにもかかわらず割当金をもらい、その一部が、アントニオ氏が下議だった時の側近の企業に支払われていたことが連邦警察の調べでわかっている。アントニオ氏は当時、ミナス・ジェライス州の支部長だった。また、別の4人にも不正参加疑惑がかけられている。
アレ氏は、不正参加疑惑がかかっている4人の候補の内、デボラ・ゴメス氏とミラ・フェルナンデス氏に関して、「私の地区のヴァレ・ド・アソから出馬したことになっているが、選挙期間中、色々なところを駆け回っても、2人の名前は全く聞いたことがなかった」と振り返っている。
アレ氏は「汚職撲滅を訴えて出馬したのに、不正が行われていたことを知り、黙ってはいられなかった」と語っている。同氏は、昨年の選挙後、同党ミナス・ジェライス州支部の報告書により、女性候補らが多額の割当金を受け取っていたことを知り、独自の調査を開始。ただ、報復を恐れ、その資料や報告書は地元の市の愛国者協会に送った。同協会は、2月初旬にフォーリャ紙がこの件について初めて報じた数日前に、同州検察局に不正についての報告書を提出している。
だが、アレ氏は4月1日に、PSLのミナス・ジェライス州支部の政治家の1人から、アントニオ氏が「彼女にはこの件について忘れてもらう。さもないと、彼女や彼女の家族の身が危ないぞ」と語っていたと知らされたという。
アレ氏はさらに、アントニオ氏が観光省の中で、PSLのミナス・ジェライス州選出下議らに「復讐してやる」と語っていたとの情報も得ているという。
アレ氏は10日にブラジリアの連邦警察で事情聴取に応じたが、その際に自身と家族の身を守るようにも頼んだという。
アントニオ氏は今回の件に関して、「事実無根だ」と反論している。
PSLのラランジャ疑惑は、ペルナンブッコ州とミナス・ジェライス州で取り沙汰されており、昨年の選挙時に同党党首代理をつとめていたグスターヴォ・ベビアーノ氏は今年2月、責任を取らされる形で、大統領府総務室長官の座を追われている。