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遠征資金への協力を呼びかけ=マナウスの野球チームを日本へ=ベネズエラ難民の子3人も

マナウスカントリークラブの選手たち

マナウスカントリークラブの選手たち

 アマゾナス州のマナウスカントリークラブ内に近頃、「ブラジル・アマゾンから野球少年を日本へ誘致する会」が立ち上げられ、日本へ野球遠征資金を集めるために「クラウドファンディング」を募っている。これはインターネット経由で広く呼びかけ、共感した人から資金を集める方法だ。サイト(readyfor.jp/projects/amazonbeisebol)から支援が可能、期限は5月1日まで。
 アイデアの起案者は、JICAボランティアとして同クラブに派遣された野球指導者、宮田瑠星さん(24、鹿児島県)だ。自分が監督を務める同クラブの子供達のために、主に移動費として120万円の資金調達を目標としている。
 同クラブには6歳から15歳の選手が所属。日系人以外にもブラジル人、キューバ人、ベネズエラ人が在籍している。選手の中には、難民や貧困家庭の子供も。

ベネズエラ難民のフアン・ダビドさん

ベネズエラ難民のフアン・ダビドさん

 日本遠征を目指し、選手たちは保護者や日系団体を巻き込み、資金集めにお菓子の販売や売店・祭りの企画等を行なっているが資金は足りていない。宮田さんはその気持ちに動かされ、「彼らの夢を叶えたい」とクラウドファンディングを提案した。
 遠征の期間は今年7月20日から30日の10日間を予定。12歳から15歳の子供10人と保護者と共に、福岡県福岡市で活動する。同市では小中学生の交流試合や、プロ野球試合の観戦、大学での異文化交流等を計画している。
 資金が集まり、無事に日本遠征が決まれば、帰国後に選手主催の報告会を開く予定だ。
 宮田さんは「子供達が学んだ事を母国に持ち帰り、多くの方々に知ってもらいブラジルの発展に役立てば」とし、「野球・スポーツを通して日伯の懸け橋となる人材を育てたい。ぜひ協力してください」と呼びかけている。問合せは宮田さん(ryuseimiyata@gmail.com)まで。


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 マナウスカントリークラブには、ベネズエラ難民が3人所属しているという。野球が国民的スポーツの彼らにとって、野球は人生そのもの。難民となって一度は諦めた野球だが、日系人の支援により再びプレーできるようになった。そんなベネズエラ人の一人、フアン・ダビドさん(16)の父親に癌が見つかったことが今回の企画の発端だった。ダビドさんの父親は同クラブの監督も務めており、「お父さんに大好きな野球を見せたい」という想いが、仲間やその保護者、そして宮田さんを動かしている。子供たちの夢を叶えるために、ぜひ支援に協力をお願いしたいところ。