トヨタ・ド・ブラジルが17日、サンパウロ州内の工場で世界初のハイブリッドのフレックス車の製造を始める事を正式発表したと17、18日付ブラジル国内紙、サイトが報じた。
トヨタ・ド・ブラジルは昨年12月に既に、ハイブリッドのフレックス車製造の意向を表明していた。その時点で候補に挙がっていた車種はプリウスだったが、17日には、カローラを国産化すると発表された。
トヨタは既に3970台のハイブリッド車や電気自動車を販売したが、これらは全て輸入品で、使用燃料はガソリンに限られていた。
だが、10月から現地生産するハイブリッド車は、ガソリンとエタノール併用型のフレックス車だ。ハイブリッドのフレックス車製造は世界初の快挙で、国内で量産が進めば、販売価格もより廉価になるはずだ。
カローラの新型エンジンは当初、部品輸入後にサンパウロ州のポルト・フェリス工場で組み立てられる予定。車の製造そのものは同州インダイアツーバ工場で行われる。ハイブリッドのフレックス車はカローラの12番目のバーションで、市場に出回り出すのは年末の見込みだ。同社では通常のフレックス車の製造も継続する。
ハイブリッドのフレックス車製造は、サンパウロ州政庁で発表され、正副知事とエンリケ・メイレーレス州財務局長、経済省生産性・雇用・競争力局のイゴル・カウヴェッチ局長補らが出席した。
新種のカローラ製造のための投資額は16億レアルで、インダイアツーバとポルト・フェリスの2工場では900人の雇用も生まれる見込みだ。16年末に発表されていた製造部門への投資額6億レは、下半期以降、エンジン部門に投入される予定で、残りの10億レアルは、インダイアツーバ工場の生産ライン拡張などに当てられる。
今回発表された新車種製造は大型投資を伴っており、サンパウロ州政府の自動車産業支援政策インセンチヴァウト(IncentivAuto)の対象になる見込みだ。
国産化したハイブリッドのフレックス車は、50~60%を電気走行するとされ、地球温暖化ガス排出量が従来車より少ない上、砂糖・アルコール業界にも恩恵をもたらす。新車種は来年以降、アルゼンチンにも輸出される予定だが、トヨタ・ド・ブラジルは既に、それ以外の国々とも交渉を始めている。