ブラジル沖縄県人移民研究塾(宮城あきら代表)は28日(日)午後2時から、沖縄県人会本部2階会議室で、第1回文化講演会を開催する。講師は熊本大学教育学部の山城千秋教授で、テーマは「検証 沖縄青年隊移民が果たした歴史的な役割について」。
同塾が発行する同人誌『群星』が今年5冊目(10月頃の予定)を迎えることを記念し、文化講演会を企画した。
第1部「沖縄の心を唄う」では、嘉数リカードさん、大城ブルーナまり子さん、神谷ラファエルさんら若い世代が古典舞踊の歌と三線を披露する。
第2部はドキュメンタリー『沖縄青年隊物語』(製作・嶺井由規、40分)を上映。同青年隊が07年に50周年を記念して製作したもの。「最盛期の様子が見られる」と宮城さん。
第3部が講演。山城教授は、沖縄の戦後復興と祖国復帰運動に大きな力を発揮した沖縄青年協会運動の研究者。同青年隊出身で県人会名誉会長の山城勇さんの自分史『回顧録―おしどり米寿を迎えて』が参考にされるという。
県人会と沖縄文化センターに内部分裂していた沖縄系社会が、青年隊の文化・スポーツなどの広範な活動に加え、両団体に役員として加わる中で統合に果たしてきた役割を探るという。
宮城さんは「日頃『群星』を愛読いただいている皆さんを始め、戦後移民、青年隊の活躍に興味のある皆さん、ぜひご来場下さい」と呼びかけた。当日は入場無料。
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沖縄産業開発青年隊移民は1957年4月に第1陣30人、20歳前後の単身青年がサントス港に降り立ったことから始まった。64年の第14次隊まで、計303人がやってきた。興味深いことに、現在でも新しい隊員を募集しているのは、沖縄県と宮崎県などごく少数。特に沖縄県は半年間も研修期間があり、《朝は6時半に起床して点呼のあとは2キロの早朝ランニング。清掃は隊員が分担します。午前、午後は機械実習や学科講習がみっちりと入り、夕方の自由時間を経て消灯は22時。訓練中の携帯電話の使用は不可、お酒、タバコはもちろんお菓子などのおやつも持ち込み禁止という徹底振り》(https://www.shinko-web.jp/focus/607/)と規律・協調性を重視する訓練が今も実施中。ただし、かつてのように渡伯組はいないようだ。