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《ブラジル》投資資金貯金出来たは8%=投資の意味に認識の違いも

 ブラジル国内の金融業者の連合であるANBIMAが昨年初頭に行った調査によると、経済活動を行っている(子供や高齢者などを除いた)ブラジル国民の56%が「今後12カ月で投資資金を貯金することに興味がある」と答えた。
 しかし、最近の調査によると、「昨年投資資金を貯金できた」と答えたのは8%に過ぎなかった。
 調査結果は、単に「ブラジル人は貯金できない」という事実だけでなく、そもそも何を持って投資と呼ぶかについての認識の違いがあることも示した。
 「2018年の間に何らかの投資をしたか?」との質問には、25%が「はい」と答えた。
 ただし、「どのような投資をしたか?」との質問には、17%が、車や家などの耐久消費財の購入、家のリフォーム、小さな会社の設立などと答えており、狭義の「投資」にあたる金融商品を購入した人は8%だった。
 また、投資を行ったと答えた内の8割以上は、最も変動リスクが少ない代わりに高い収益率も見込みにくい「貯蓄預金(ポウパンサ)を行った」と答えた。
 調査担当者によると、ブラジル人にとって、投資活動や金融市場の存在はまだまだ遠いものであることが分かる。その理由は主に二つ、つまり、「金融教育が十分ではないこと」と「不況下において、投資するための余剰資金をまずためることのハードルが高いこと」だ。
 調査責任者の一人で、ANBIMAの金融教育部門統括者のアナ・レオーニ氏は、「『お金を使って将来の自分にとって、気分が良くなるもの全て』が『投資』だと勘違いしているから、『車に投資した』と答える人が出てくる」と語った。
 「ブラジル人は『貯蓄か消費か』となったら、ほとんどが消費を選んでしまう。ブラジル人は入ってくるお金の量を気にせずに使ってしまう。そうでなければ、ブラジルよりも国民1人あたりのGDPが低い国の国民がブラジル人よりも投資を積極的に行っている現象の説明がつかない」と同氏は言う。
 2018年の国際通貨基金(IMF)発行の調査報告書によると、ブラジルは「国民一人当たり投資額の対GDP比率」が14・6%で、南米10カ国中ではベネズエラ(13・1%)を上回るだけだったことが分かった。
 同ランキングの1位は24・7%のエクアドルで、2位は22・6%のパラグアイだった。(22日付エスタード紙より)